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4/04 マーガレット 「恋を占う」

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拍手SSの再掲です。

4/04 マーガレット 「恋を占う」
LOVE SO LIFE 政二×詩春


「はい、中村さん」
「わ……どうされたんですか?」

 帰宅早々、政二は詩春にある物を手渡した。片手で持ててしまうそれは、白とピンクで彩られている。

「例によってスタジオで処分するって言うからもらってきた。中村さんなら長持ちさせてくれそうだし」
「じゃ、早速活けますね」

 何か小さな器……と呟きながらミニブーケを抱えていく詩春の後ろ姿を見て、政二は思わず微笑む。処分されてしまうのは本当だけれど、実は花を渡した時の、詩春のあの笑顔が見たいからもらってきているのは、彼女には内緒だ。
 ネクタイを緩めながら彼女の後を追ってリビングに辿り着くと、元はジャムか何かの瓶だったのだろう、背の低いガラス瓶を前にして、詩春は何故か花を新聞紙に包んで茎の先だけを出していた。それから別の器の中に一度切り口を浸して、新聞紙を取り払い、今度は水を満たしたガラス瓶の中に活けている。
 政二が不思議そうな顔をしている事に気づいたのか、詩春が口を開いた。

「湯揚げしてみたんです。この方が長持ちするので」
「湯揚げ?」

 熱湯に切り口を付けてから水につける水揚げ法だという。

「へぇ……。あ、それ、何の花? 良く見かけるけど」
「マーガレット、ですね。ちょっと花びらが細いけど……恋占いで有名な花ですよ。花言葉も、『恋を占う』ですし」
「恋占い?」
「あ……男の人はあまりやらないかも……。花びらを一片ずつ取っていくんです。好き、嫌い、とか言いながら」

 ああそういえば、と政二は過去を思い出す。小学生の頃、同じクラスの女子がそんなことをしていた。

「けどあれって、花びらの数が奇数か偶数かってだけだよね」

 現実的に考えてしまう政二の言葉を、詩春は否定せずに、くすくすと笑った。

「ふふ、そうですね。ただ、一輪でやるかたくさんの花でやるかで違ったみたいで、好きな人がいる女の子は結構真剣でしたよ」
「中村さんは?」
「え?」
「やった事ある?」

 真剣に、誰かを想って恋占いをしたことがあるのだろうか。そう問いかけると、彼女は緩やかに首を横に振った。

「私は、やりませんでした。花を摘んでしまうのが可哀相で」

 せっかく綺麗に咲いているのに、まだまだ咲いていられるのに、花びらを散らしてしまうのは何だか嫌だった。好きな人がいないというのも理由の一つだったけれど。

「中村さんらしいね」

 そんな政二の言葉に、詩春はまたふわりと笑う。
 その笑顔に触れたくなる指先を、思わず握り込んだ政二だった。

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