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4/03 タンポポ 「神託」

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4/03 タンポポ 「神託」
暁のヨナ ハク×ヨナ


「それにしても、あれが神官だとは……」
「ふふっ、私も最初は驚いたわ。神官様って、もっとこう……」

 威厳があったり、凜としていたり。どこか風格というか人間離れしているというか……いや、ある意味人間離れはしているけれど。

「ユンが言ってた。イクスは優しすぎて、優しすぎるから、すべての人を救おうとして、でも出来なくて、心を病んだ事があるって」
「すべての人を救おうなんて、いくら神官でも無理ですよ」

 神様がすべての人を救ってくれるわけではない。既に死した命を蘇らせる事など出来ないし、死に向かう病を止められない。……救えるのなんて、ほんの一握りだ。

「……まぁ、解っているからこそ、心を病んだんでしょうけど」
「そうね……」

 すべての人が幸せに、なんて、理想論でしかない。けれど、争いを避けたイル王やイクスのような人がいるから救われる事もあるのだろうに、何故、ユホンは神官を追放したのだろう。

「私、知らなかったわ……。ユホン伯父上が神官を追放したなんて。父上は反対しなかったのかしら」

 国を作るのは神ではない。それは解る。だが、神官とてこの国に生きる人間ではないのか。神に仕え、神の声を伝える者は、神の眷属として扱われたのだろうか。

「ハクは、知っていた?」
「ま、一応は。でも俺も、詳しくは知りません」

 言いながら、ハクは神官が追放されたというのはいつの頃なのだろうと考えた。王の即位にすら口を出せた存在……もしもイルが王となる前ならば、もしもイルを王にという神託が下りたのならば。今のこの状況を作ったのは神だということになりはしないか。
 存在さえ曖昧な神に、国の行く末を左右され、あまつさえ大切な姫にこれほどの苦しみを与えたというのならば、確かに追放も頷けてしまう。
 けれど今、イクスが告げた通りに四龍を探しに行くしか道がないのも本当だ。

(都合のいい話だな)

 自らが困った時にのみ、神を頼る。普段はその存在など意識の欠片にものぼらせないくせに、だ。

「四龍の戦士……か」

 自らが生き延びる為に、ハクを死なせない為に。

「見つけられるかな」
「見つけるんでしょう?」

 見透かしたように笑う包帯だらけのハクの言葉に、ヨナは嬉しそうに頷いた。

「早く、傷を治してね。ハク」
「もう大丈夫ですよ、俺は」
「そんな包帯だらけなのに?」
「姫さんとは鍛え方が違うんで」

 いつも通りのハクの軽口に、ホッとする。
 神託に導かれるまま歩き出すまで、あと少し。

暁のヨナ 目次

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