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3/25 ミモザアカシア 「秘密の愛」

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拍手SSの再掲です。

3/25 ミモザアカシア 秘密の愛
暁のヨナ ハク×ヨナ


「わぁ……すごい」

 山の中、おそらくは夏に使われるのであろう山小屋を無断拝借して一晩の暖を取ったヨナは、窓の向こうに広がる銀世界に目を輝かせた。

「ハク、雪よ!」
「……雪で喜ぶって、どんだけ子供ですか」
「いいじゃない、この季節しか見られないんだから!」

 そう告げて、ヨナは外へと出て行った。仕方ない、とハクは一つ小さな溜息をつくと、ヨナの後を追いかける。

「空気が澄んでる……」

 ヨナは、すうっ、と清浄な空気を体に取り込むと、ゆっくりと歩き出した。
 さく、さく、さく。新雪に、小さな足跡が一つずつ刻まれていく。その後を、ハクの大きな足跡が追いかける。

「きゃっ」
「姫さんっ?」

 思ったよりも深く雪にはまり込んでしまった足を持ち上げることが出来ずに、ヨナはそのまま後ろに転び、突然のことに、ハクも重心を取れずに一緒に転がり込んだ。

「……痛くはないですが、大丈夫ですか? 姫さん」
「ふふっ、うん、大丈夫」

 咄嗟に抱え込んだハクの胸の中で、くすくすと楽しげに笑うヨナ。

「ねぇ、覚えてる? 昔、ハクが雪の上に寝転がってて」
「その後姫さんに思いっきり踏んづけられましたっけ。いやー、あん時の姫さんは重かった……」
「一言多いっ」

 ぽかり、と笑いながら全然力の入っていない拳で胸板を叩かれて、ハクはヨナを寒さから守るように、その体を両腕で抱き締めた。

「そのあと、風邪引いたのよね」
「そーでしたね」
「もう、忘れちゃったの?」

 覚えてる。忘れるわけがない。彼と、ヨナと、三人で。一緒にくっついて眠る原因となったあの日のことを……。

『別に、風邪引いてなくても簡単だろ。一緒にいることぐらい』

 あの時の言葉が、どれほど難しいものだったか……今になって、良く解る。
 いつの間にか分かたれてしまっていた道。絆さえ変わらなければ、共に在る事は簡単だと、そう、思っていた。
 思考に沈むハクの首筋に、微かな息遣いが触れて、思わず息をのんだ。

「……温かいわね、ハクは」

 寝転がったままのハクにすり寄るように、ヨナの鼻筋がハクの首筋に触れたのだ。その言葉と共に触れた吐息が首筋を刺激して、どうにもくすぐったい。

(……この鈍感姫……っ!)

 引き離そうにも、ヨナの安心しきった顔を見てしまうとそれも出来ない。いっそこの想いを告げてしまえば、少しは彼女も自分を男だと認識するだろうか────。
 そう考えながらも、この距離を壊したくなくて、結局想いを秘めてしまうハクだった。

暁のヨナ 目次

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