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3/21 バイモ 「努力」

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3/21 バイモ 努力
LOVE SO LIFE 政二×詩春


 政二が出勤前に作ってくれた炒飯を食べている時、ふと思い出して、施設で直が作ってくれる炒飯の話をした。
「それじゃ、『直くん』の味に負けないように頑張ろ。他の男に負けたくないし」
 笑顔でそう言われてしまって、出勤する彼に、詩春は満足に「行ってらっしゃい」も言えずに固まってしまった。
(い、今のって……?)
 思い切り、顔に熱が集まるのが解る。何気なく口にしてしまったけれど、直と比べるつもりは全然無くて、ただこういう事もあったというだけの話だったのに、まさか返事にあんな言葉が出てくるとは思わなかった。
 告白されてから、政二は詩春に対して気持ちを押し付けることはないものの、時折、あのように気持ちを言葉にすることが多くなった。それは今まで、詩春が気付いていないだけだったのか、それとも彼の中での境界が変わったのか、解らないけれど。
 そんな言動は、彼の決意の現れのようで。そしてそれは、戸惑うけれど、嬉しくもあって。
 その度に鼓動が跳ねて、顔が熱くなる。
 無駄な努力と解っていても、「いつも通り」を意識するのに、意識すればするほど、「いつも通り」が解らなくなってしまうのは困りものだと思う。
 すとん、と椅子に座り、熱った頬を両手で覆い隠す詩春を、きょとんとした瞳で双子が見ていた。

(何言ってんだ俺は……)
 家を出た政二は、思わず自嘲した。口にした言葉は本心だけれど、……幼い頃から詩春と一緒に暮らしていた直の話に、大人げなく張り合ってしまった。
 詩春が彼をどう思っているのかは解らないが、彼が詩春を好きなのは確実だ。その彼に奪われないように、歳の差がある分、政二も努力しなければと思う。
(しかし……)
 満面の笑みを浮かべた詩春の顔を思い出す。炒飯一つであそこまで喜ばれるとは思わなかった。詩春の作るものには到底及ばないのに。
(……本当に)
 ホッとする。あの笑顔がいつも傍にあれば、きっと幸せだろうなと思ってしまう。
 緩みそうになる頬に気付いて、政二は慌てて顔を引き締めた。
 そして、その日の夕方。帰宅した政二を待ち受けていたのは、当然政二が作るよりも遙かに美味しいハンバーグと、それを褒めた時の詩春の笑顔で、思わず抱き締めたくなり、動きそうになる腕を慌てて止めた。
 もしかしたら政二にとって一番必要な努力は、彼女の不意の笑顔や行動に惑わされない事かも知れない、と心の中で独りごちた。

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