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3/16 カイドウ 「美人の眠り」

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3/16 カイドウ 「美人の眠り」
図書館戦争 手塚×柴崎



 帰り道にある公園で、背中ですやすや眠っていた柴崎を一度ベンチに降ろし、自分は酔い醒ましにと冷たい烏龍茶を購入して、ベンチの空いたスペースに座り込む。

「ったく、飲み過ぎだっての」

 堂上と郁が結婚して、郁が寮を出て数日。今までは二人で過ごした部屋が、急に広く感じた────と、彼女が言っていたのはいつだったか。

(……アレ、付けられた時か)

 くっきりと首筋につけられた柴崎の『作品』を思い出す。まだ、自分の想いに気付いていなかった頃の事だった。
 それが現実になってしまって、自分しかいない2人部屋に帰りたくなくて、手塚を飲みに誘ったのだろう。

「ん……」

 僅かな吐息と共に、こつん、と腕に重みがかかる。酒で熱った温もりが、否応にも意識を柴崎に向けさせる。

(……お前にとって、俺は何なんだよ?)

 不意打ちのようにキスをされ、担保には足りないと彼女にキスをして。
 普段は隙など見せないくせに、こんな時ばかり無防備で、……綺麗な寝顔は、どことなく幼さを感じさせる。
 が、何となくその無防備さにいらついて。そっと彼女の鼻をつまんでみた。

(1、2、3……)

 ゆっくりと数を数えている間に、苦しげに眉間に皺が寄っていく。そして、五つを数え終わった時、柴崎が覚醒した。

「っ!? ちょっと、何すんのよ手塚!?」
「いつまで寝てる気だよ」
「だからって、何て起こし方するのよ」

 普通に声かけて起こしなさいよね、と呟く柴崎を見て、思わず苦笑してしまう。

(触れてみたかった、って言ったら?)

 声をかければ多分起きただろう事は解っている。けれど、起きている時にはよっぽどでなければ触れられないから。
 曖昧な関係。友達で、同僚で、仲間で、……多分、全てではないにしても互いに弱いところを知っていて、一度はゼロになった距離にいた存在に、触れてみたかった。

「あ。ずるいあんただけ」

 身じろぎしたせいか、片手に持っていた烏龍茶の缶がちゃぷん、と音を立て、それをめざとく発見した柴崎がにっこりと笑って手塚を見上げて来る。

「……何がいいんだよ?」
「お茶がいいわ、冷たいの」
「はいはい」

 思惑に乗せられているのが何だか面白くなくて、立ち上がり、自販機に向かう前に一言告げた。

「お前の寝顔、子供みたいな」
「なっ……!」

 絶句する柴崎の顔が、暗がりでも解るほど赤くなった。

(口では絶対勝てないからな)

 その様子に手塚はひっそりと満足感を得て、今度こそ自販機へと足を向けた。

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