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3/14 スィートアリッサム 「飛躍」

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拍手SSの再掲です。

3/14 スィートアリッサム 「飛躍」
明るき陽の光を 幼なじみ三人組



「ってわけで、明人くんよろしくね」
「よろしくね、じゃない! 話が飛躍し過ぎだろ! ってか、何で俺!?」
「経験者で、他に出来る人がいなかったからよ。あ、あと付け加えるなら透子の希望ね」
「は!?」

 にやり、と人の悪い笑みを浮かべながら、やるわよね? と訊ねて来る泪花に、明人は観念せざるを得なかった。
 今日は、明人達が住む地区主催の納涼祭だ。その中に、高校生までの男子を中心とした太鼓の演舞があるのだが、一人、左手首を怪我してしまって、参加出来なくなったらしい。そして何故か明人に白羽の矢が立ってしまったというわけだ。ちなみに、白羽の矢を立てたのは、実は泪花だったりするのだが、それはとりあえず横に置く。

「今年からはやらなくていいと思ったんだけどなぁ」

 強制参加の対象は高校生までで、大学生になったら自由参加で良かったはずなのだが。

「大丈夫でしょ? 昔からやってるんだし」
「だからって今日の今日かよ」

 子供の頃から参加していたから、段取りも曲も体に覚え込こまされているが、ぶっつけ本番でどこまで出来るか。

「透子、楽しみにしてるわよ?」

 挑戦的な泪花の笑みに、明人は仕方ないな、と笑い、リハーサルをしているだろう場所へ向かった。

「透子、こっちおいで」

 小学生の踊り部門を終えた浴衣姿の透子は、泪花に手招きされるまま、舞台を見られる最前列へと進み出た。

「あっ、明人くん!」

 舞台の中央より右側に、鉢巻きに法被姿の明人を見つけて、透子は思わず名を呼んだ。透子に気付いた明人は、一瞬だけニコリと笑い、そして、撥を持った腕を振り上げる。
 ドンッ、と太鼓の音が鳴り響く。力強い音が次々と重なり合い、どんどん激しくなっていく。

「泪ちゃん、すごいね!」

 太鼓の音に負けないように、背伸びした透子は泪花に耳打ちする。

「どっちがすごい? 明人くんと、太鼓と」
「んーとね、明人くん! かっこいい!」

 血の繋がりはないけれど、この時の透子にとっては、大好きな自慢の「お兄ちゃん」だ。

「ふふっ、じゃあ後で、かっこ良かったって言ってあげてね?」
「うん!」

 言葉を交わした後は、透子も泪花も太鼓の演舞に夢中になった。
 やがて激しい音は段々と穏やかなものに変わり、余韻を残して消えた。
 舞台から下がる明人を見た透子は駆け出して、泪花はその後をのんびり追い掛けて。
 透子が汗を拭く明人に抱き付いて、満面の笑みで「かっこ良かったよ、明人くん!」と告げるのは、少し後の事。


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