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3/13 シラー 「寂しさ」

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3/13 シラー 「寂しさ」
LOVE SO LIFE 政二×詩春




 誰もいなくなってしまった松永家。政二と双子は、泊まりがけで静岡に行ってしまった。
 あちこちの部屋の窓の鍵を閉め、ガスコンロの元栓を確認し、不要なコンセントを抜き取って。
 荷物を取って、玄関を出て。手にした合鍵で、かちゃりと鍵をかける。

(……もう少ししたら、この鍵も返さなくちゃいけないんだよね……)

 初めて手にした鍵だった。母が生きてた頃は当然、母が持っていたし、施設に移動してからは必ず誰がいたから、鍵なんて無縁なものだったけれど。
 この鍵を政二に渡された時、嬉しくて。まるで家族になったかのように思えて。でも。

(終わっちゃう、んだよね……)

 双子とのお別れまで、あと一ヶ月。それを考えると、心の中は寂しさでいっぱいになる。

(松永さん、とも……)

 彼の事は、好きだ。それだけははっきりしている。けれど、彼は年上で。たかが高校生に過ぎない自分など、相手にはしてもらえないだろう。下手をすると、妹のように思われているかもしれない。そう、それこそ家族のように。
 そっと息をついて、詩春はふるふると首を振った。
 今はそれを考える時ではない。まだ、茜と葵との時間は残っている。最後まで、ベビーシッターとしてしっかりやり遂げなければ。
 気持ちを切り替えて、詩春は施設へと帰る道を歩き始めた。

*****

 静岡に向かう電車の中、すやすやと眠ってしまった双子の寝顔を見ながら、政二は物足りなさを感じていた。
 いつもならば、すぐ傍にあるはずの存在がいない。こんな時、自分がどれだけ詩春を頼りにしているかを思い知らされる。
 そして、どれだけ彼女を求めているかも……。

 好きだ、と告げてしまうのは簡単だ。かなりの緊張を伴うだろうが、政二の中ではそれ自体は大した問題ではない。
 詩春の気持ちも、政二の自惚れでなければ解っている、と思う。時折見せる、隠し切れない反応が教えてくれている。
 確信したのは、詩春が政二に手を伸ばし、引き寄せるように抱きしめた、あの時だったように思う。何とも思っていない相手に、自分から手を伸ばす少女ではない。
 ただ、詩春はまだ高校生だ。法律上はもう結婚出来る歳ではあるけれど、詩春にとっての政二の立ち位置に、確信が持てない。

(年上だから、とかいう理由だったらへこむな、多分)

 心の中で、そっと苦笑する。

(ホワイトデー、何がいいかな……)

 バレンタインのお返しに何を贈ろうかと、頭の中で思案しながら、政二の瞳は流れる景色を追っていた。

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