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3/12 ワクスフラワー 「可愛らしさ」

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拍手SSの再掲です。

3/12 ワクスフラワー 「可愛らしさ」
暁のヨナ ハク+ジェハ


「気をつけてね、ハク」

 きゅ、と服を引っ張られて、振り向いて。見上げて来る無垢な瞳に、いつも平静を装って、抱きしめたくなる想いの代わりに、赤い髪を撫でる。すぐ戻ります、と告げて、ハクとジェハは情報収集と偵察の為に歩き出す。

「いやぁ、可愛いよね、ヨナちゃん♪」

 ハクは答えない。隣を歩くジェハは、独り言を言っているように見せ掛けて、実はハクをからかっているのが目に見えている。

「絶対無意識だよねぇ。ヨナちゃんが手練手管を知ってたりしたら、あの可愛らしさは有り得ないし」
(まぁな)

 と、ハクは心の中で同意した。ヨナの心は、ずっとスウォンにだけ向けられていて、スウォンに気にかけてもらう為に色々考えてはいたけれど、それはまだまだ「女」ではなかった。姫という肩書きを持っただけの、子供だった。

「……ハクが大切にする気持ちが、解るような気がするよ」

 そう呟くジェハの顔は、ハクをからかうものではなく、彼自身もヨナに惹かれていることを垣間見せるものだった。
 だがハクは、それに気付かない振りをする。

「……言っただろ、大事な預かりもんだって」
「そう言い聞かせてるだけだろう?」
「お前もな」

 ハクは従者として、ジェハは四龍の一人として。彼等にとって、ヨナはあくまでも「主」でなければならない。彼女を「女」だと……かけがえのない大切な「女」だと認識すればきっと。……想いは、奔流となって押しかけて来るだろう。
 そして、未だ男女の機微に疎い、守るべき少女を傷つけることになる。
 けれど、ヨナの瞳が、今見ているのは────。
 隣を歩いていたはずのハクは、いつの間にか武器を売る店主に話し掛けながら、この街の様子を探っている。

「全く、背中合わせみたいだね」

 ハクとヨナ、二人が振り向けば、きっと重なり合う視線の先。今はまだ、互いに遠回りをしているけれど。

「その時、僕たちは……」

 ハクがヨナを「姫」と呼ばなくなった時、四龍はどうしているだろう。それでもヨナのそばにいるのだろうか。「主」と「四龍」として、彼女の傍に。
 そんな事を考えながら、ジェハも情報を集め始めた。

「お帰りなさい! 何も起こらなかった?」
「大丈夫だよ、ヨナちゃん」
「何が大丈夫だ、盗っ人にされかけたくせに」
「ええっ!? どういうこと?」

 くるくる表情が変わるのが、何だかとても微笑ましい。
 例えどんな未来がこの先に待っていようとも、この少女の傍にいられるならば後悔はしないだろうと思った。

暁のヨナ 目次

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