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3/10 菜の花 「競争」

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拍手SSの再掲です。

3/10 菜の花 「競争」
空の中 高巳×光稀


「高巳、あれでどっちがたくさん取れるか競争しよう!」
「ん? どれ?」

 かき氷を手にしていた高巳は、光稀の指差す先に視線を向け────固まってしまった。

「高巳?」
「ちょ、ちょっと待った光稀さん! さすがにあれは反則でしょ!」
「そうか?」
「……あのね、光稀さん。現役自衛官に素人が、相手になると思う?」

 そう、光稀が指差したのは、射的の屋台だ。日常的に銃の訓練をしている光稀ならいざ知らず、銃などおもちゃでしか持ったことがない高巳に競争を挑む方が間違っている。まして高巳は、片方の視力が良くはないのだから。

「……それもそうか。ごめん」

 視力のことを思い出したのか、光稀の顔がほんの少しだけ俯く。

「謝らなくていいよ。……ってわけだから、やるなら別のもので、ね?」

 ぽん、と子供にするように頭を叩くと、「子供扱いするな」とふくれられてしまった。

 夏祭りに行かない? と、誘ったのは高巳の方だ。高巳としては内心、浴衣姿を期待していたのだが、現れた光稀は思いきり洋服姿だった。それでも、ウエストが絞られているワンピースは、光稀の細い肢体を浮き彫りにして、彼女をより女らしく見せて。
 その場で思わず口づけてしまって、初っぱなから機嫌を損ねてしまったのだが。
 屋台を回っている内に、いつの間にか、冒頭のように高巳に勝負を持ちかけるまでに機嫌は直っていた。

「別のものっていってもな……」

 きょろきょろと周りを見回す彼女だけれど、高巳が見ても、周囲は食べ物系の屋台ばかりだ。

「金魚すくいとか?」
「やって掬えたとしても、部屋に持って帰れない」
「ヨーヨーつり」
「持って帰ってもすぐ萎む」
「じゃ、くじ引き?」
「それじゃ競争も何もないじゃないか」
「……というか、どうしてそこまで競争したいの?」

 ひょいっ、と顔を覗き込むように身を屈めると、屋台の光が当たる横顔が、暗がりでも解る程赤くなった。

「やられっぱなしは悔しいからだっ」
「え? やられっぱなし? ちょ、光稀さん何のこと!?」

 ずんずんと先を歩いて行こうとする光稀の腕を慌てて引き留めて、人混みから少し離れたベンチに二人で座り、「やられっぱなし」の意味を問いかけると。
 どうやら会ったばかりで突然キスをしたことが、光稀にとっての「やられっぱなし」だったらしく、「そんな事で対抗意識燃やしなさんな」と告げた高巳が、光稀の不意を突いてもう一度口づけて、また光稀の機嫌を損ねることになったという。

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