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3/08 チューリップ<赤> 「恋の告白」

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3/08 チューリップ<赤> 恋の告白
雨の弓 雫(レイン)×ひかり(ユミ)+コーリ



「ね、レインとユミってどっちから告白したの?」
「ぐ……っ、けほっ」
「ちょ、レイン大丈夫!?」

 午後のお茶を飲んでいた最中に、突然コーリがそんな言葉を投げかけてきて、レインは盛大に噎せ、ユミはすかさずその背をさすった。

「……え、何よその反応」
「お前が突拍子もないこと言うからだっ! ったく……何だよいきなり」
「ん~、別に大した理由はないんだけどね。ただ、70年も続いた想いの原点が知りたくなっただけ、かな?」

 70年。再会するまでにかかった長い年月。その大半を、ひかりは暗闇の中で過ごし、雫は死神となって、いつか生まれ変わるであろうひかりの魂を待っていた。

「で、真相は?」
「言えるかっ! 俺出てくる!」
「あ。逃げた」

 バタン、と少し強めに閉められたドアの音が、レインがどれだけ照れているかを示していて、コーリとユミはくすくすと笑ってしまった。

「そんなに照れるほど気障な告白したの? レイン」
「えっと……どうなんでしょう?」

 言いながら、遥か過去の記憶を呼び起こす。
 あの日、どうして二人きりになったのかは覚えていない。
 ただ、校庭にたくさんの生徒が集まって、文化祭の後夜祭フィナーレを楽しんでいて。
 二人は、教室の窓から、それを眺めていて。
 夕暮れが夜色に染まりかけた頃、ふと、会話が途切れて。
 無意識に、引き寄せられた。逸らされることのない視線はずっと見つめ合ったまま。
 先に動いたのは、多分、雫の方だ。僅かに身をかがめ、ひかりとの距離を詰めた。

「……俺のこと」

 好きか……?
 確かめるように囁く雫に、

「……うん。好き」

 ひかりは小さな声で、けれどはっきりと答えた。伸ばされた指が、ひかりの目元をそっとなぞって、それが何だかくすぐったくて、僅かな笑みを浮かべて瞳を閉じた。

「俺も、好きだ」

 その言葉と共に、優しく口づけられたのを覚えている。

「……きっと、言葉にしなかっただけで。お互いに気持ちは解ってたのね」

 話を聞き終わったコーリが、穏やかに告げる。

「そう、かも知れませんね」

 言葉にしてしまうことで、変わる関係が怖かったのかも知れない。
 でも、あの日は。互いに互いの『特別』を望んだから。二人で強く、そう思ったから。

「ふふ。じゃあ今は、幸せね」
「はい!」

 まるで姉のような優しい声と、優しい笑顔に包まれて、ユミは可憐な笑みを惜し気なく咲かせた。

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