Mirage

オリジナル・二次創作小説や、好きな本の感想を綴るブログです。

Entries

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

暁のヨナ 胸を焦がすは

暁のヨナ 目次へ  二次創作Index

私がTwitterを始める前、このブログのURLをツイッターに載せて下さった方がいらっしゃいました。
その方がこの度判明し、是非お礼を! とリクを受け付けたらハクヨナで、とのことでしたのでハクヨナです♪
でも原作準拠ではありませんので、その辺はご注意下さいませ!

『もーちょっと放心しててもいいですよ?』


「わぁ……っ! ハク、見てみて! とっても綺麗!」
「……こりゃ見事ですね」

 眼下に広がる、整然と並べられた灯り。いつでも光に溢れているという彩火の都は今、テジュンが統治しているはずだ。

「あの坊っちゃんがねぇ……」
「……テジュンは、私と同じだったのよ」

 現実を知らぬ、ただ身分というものしか持たぬ、愚かな子供。
 今となっては、無知であっても守られていた小さな世界が、少しだけ、疎ましい。
 もっと現実を見ていれば。政に参加出来ずとも、せめてその知識さえあれば。人と交わり、真実を目にしていれば、きっと……。
 決して消えない後悔が、胸に渦巻く。どろどろのねっとりとした暗闇の中に深く深く埋め込んだ、思い出したくない、怖い、記憶。

「……何、考えてるんですか」

 不意に、耳に吐息を吹き込まれるように低い声が聞こえて、ヨナは体をびくりと震わせた。

「え……っ、ハク!?」
「さっきから呼んでたんですけど」

 ぎゅうっと、痛いくらいに背後から抱き締められて、ヨナは途端に身を固くした。

「な、何で……」

 抱き締めているの。問いかけるヨナに、ハクはあっけらかんと告げた。

「姫さんが、何をしたら気づくかと」
「え」
「髪を編んでたことにも気づかなかったみたいですし」
「ええ!?」

 さすがに髪を編まれたら気づく、と思ったけれど。下ろしていたはずの波打つ髪は、いつの間にか一本に編み込まれていた。

「ぜ、全然気づいてなかったわ……」

 それほどボーッとしていたのか、と自分を戒めるヨナの首筋を、ちろり、とハクの舌が舐めた。

「な!?」
「もーちょっと放心しててもいいですよ?」
「ちょ……っ、なに」

 身を捩れば捩るほど、白い首筋が露になることに気付かぬヨナを、今、ハクがどんな感情で触れているか、きっと彼女は知らない。

(あのバカ次男坊の事なんかで)

 テジュンの事を口にした直後に黙り込んでしまった彼女。瞬間、ハクの胸の内に燻る火種は、その勢いを増して。
 テジュンのせいで切ってしまって、今は伸びてきた髪に触れ。この髪は、誰のために伸ばしている髪だろうと、ふと思い。
 出来れば、スウォンの為ではなく、己の為であればいいと願いながら、編み込んで。
 それでも、ヨナはハクをそっちのけで放心したまま。だからハクは、彼女を抱き締めた。この尊き身を、誰にも渡すまいとするかのように。
 うなじに、顎下に、何度も唇を落とせば、その度にヨナの唇から甘い吐息が零れる。

「ん……っ、ハク……や……」
「俺の声に気づかなかったお仕置き、ですよ」

 その唇を塞ぐことだけは躊躇って、ハクは、ヨナを抱き締める両腕に力を込めた。

暁のヨナ 目次
スポンサーサイト

Comment

Comment_form

管理者のみ表示。 | 非公開コメント投稿可能です。

左サイドMenu

プロフィール

琳架

Author:琳架

web拍手 by FC2

 ↑ 9/1変更 (全6種)
 桜涙・雨弓・明陽
 図書戦・LOVE SO LIFE・ヨナ
  ※携帯版が確認出来ないので、こちらに統合しました。

Twitter・SS専用アカウント→ @sakuraironoyoru

FC2カウンター

現在の閲覧者数:

カレンダー

04 | 2017/05 | 06
- 1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31 - - -

最新記事

検索フォーム

月別アーカイブ

西暦をクリックして下さい。

カウンター

FC2ブログランキング

ランキングに参加しています。

FC2Blog Ranking

右サイドメニュー

QRコード

QR
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。