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拍手SS 雨の弓 「お花見」

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拍手SSの再掲です。

2014年 4月 携帯用SS
雨の弓 総メンバー



「わあっ、綺麗!」

 桜の森とも言われる、雲の下の世界にあるとある場所。見事な青天に映える桜色が、視界いっぱいに広がっている。

「ユミ、前見ろ前っ」

 現世の人間に姿は見えない上に、その体に触れることさえ出来ないけれど、生きている人間が、自分達死神の体を通り抜けていくのはなかなかにシュールな光景なのだ。

「ここらへんでいいんじゃないか?」
「そうね。アクア、コーリ、お願い」
「はいよ。我が名に刻まれし水よ、光と共に我らの姿を覆い隠せ」
「我が名に刻まれし光、まやかしの壁となりて我らを守り給え」

アクアの手のひらに集まった水が、コーリの手のひらから生み出された白い光が、頭上で弾けて周囲2m程を囲む。現世の人間を近づけさせない為の結界だ。
 ただの花見ならば、ここまでする必要もないのだが、食べている最中に現世の人間達に踏みつぶされる(実際に踏みつぶされるわけではないが)弁当は流石に嫌だと感じた上での策だった。
 地面にシートを置いて、その上に女性三人で作った重箱を置く。保温効果のある水筒から日本茶を注いで、ヨウとコーリ、ショウカとアクアの四人はホッと息をついた。

「もーっ、何で取れないのー!?」
「はははっ、反応鈍いよなー、ユミ」

 ひらひらと舞い散る桜の花びらを捕まえようとしているユミと、それを愛しげに眺めながら、けれど言葉は憎まれ口を叩くレインの声が聞こえる。

「昔、透子も同じ事してたよなー」
「そうそう、桜の花びらを3枚、地面に落ちる前に取ると、願いが叶う……だっけ?」
「ああ、俺の所にもあったな、そんなジンクス」
「結局取れなくって泣き出した私に、明人くんが折り紙で桜の花折ってくれて、泪ちゃんはビーズで桜の指輪作ってくれたんだよね」

 あれは、ずっと大事にしてたんだよとコーリが告げると、ヨウもショウカも知ってる、と笑い、彼女の頭を穏やかに撫でた。

「変なところで器用だよな、ショウカって」
「変なところで、は余計……って、アクア! 何で重箱開けてるの!」
「だって腹へったし。それに、こーいうのも得意だよなお前」

 重箱の中に敷き詰められているのは、ショウカお得意の飾り寿司だ。切った断面が桜の花のように見えていたり、組み合わせて模様に見えていたりする。
 途端にぐう、とアクアのお腹が鳴って、それを訊いた三人はクスクスと笑い。

「レイン、ユミ! 桜は逃げたりしないんだから、先にご飯にしない?」

 未だ桜の下で笑い合う二人を呼んで、穏やかな花見が始まった。

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