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拍手SS 暁のヨナ 「髪飾り」

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拍手SSの再掲です。

2014年 1月 携帯用SS
暁のヨナ ハク×ヨナ



「あ……」

 賭け射的を終え、見事儲けたハクとヨナは、再び市を回り始め……そこでヨナは、一つの髪飾りに目を止めた。

(昔、気に入っていたのに似てる……)

 質は段違いだけれど、小さな簪のような髪飾りを手に取れば、ハクが「懐かしいですね」と告げた。
 それはまだ、ヨナが14歳だった頃────。

*****

「ハク、見て見て!」

 城下から戻ってきたハクを見つけて、パタパタと駆けて行く。最近、どんどん背が伸びるハクは、あっという間にヨナが見上げなければ視線さえ合わせられなくなっていた。

「どうした、姫さん」
「だから、見てってば」

 両手で裾を持ち上げて、くるり、と回転して見せる。けれど、小首を傾げたハクは何の事だか解っていないようで、ヨナは僅かに頬を膨らませた。

「この衣、新しく仕立てたの! 似合う?」

 淡い桃色から濃い紅へと染められた衣装。

「離宮に咲く牡丹みたいな色でしょう?」

 大輪の花を咲かせる牡丹は、ここ最近のヨナのお気に入りだ。牡丹程の艶やかさはないけれど、それでも好きな花に似た色を身に纏うだけで何だか嬉しい。

「……行動が伴ってないからなぁ……」
「え?」

 不可解な言葉と共に、ハクが喉の奥で笑っている。何だか馬鹿にされたような気がして、瞬間的に言い返そう────としたのだけれど、何故か素直に「似合ってる」と言われなかったことが淋しくて。

「……そんなに、似合わない……?」

 しゅん、と肩を落として俯けば、髪に挿した、真珠が連なる簪がしゃら、と揺れて。
 その簪にハクの手が触れて、それから、髪に触れて。

「……似合ってますよ」
「……ほんと?」

 おずおずと見上げれば、ハクは嘘など言わない、というように笑っていた。

*****

 白い小さな髪飾りを手にしたままのヨナに、ハクが声をかける。

「欲しいですか?」
「……え、でも」

 いくら賭け射的で儲けたとは言え、勝手に物を買うのもどうかと思う。それに、いくらかは長くなったといえ、これを飾るには今の髪は短すぎる。

「これ、貰うわ」
「毎度!」

 悩むヨナに何も言わず、ハクはさっさとその髪飾りを購入してしまった。

「え、ハク!?」
「ちったぁ女らしくなるんじゃないですか?」
「どういう意味よ!」
「ほら、……似合う」

 耳の上の髪の一房に、あっという間にその髪飾りを付けられて。耳元で、そうハクが笑うから。
 ヨナは顔が赤くなるのを押さえられなかった。

暁のヨナ 目次

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