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2/27 スミレ 「小さな幸せ」

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拍手SSの再掲です。

2/27 スミレ 「小さな幸せ」
LOVE SO LIFE 松永家+詩春



「「せーたん、ただいまー!」」
「ただいま帰りました!」
「お帰り。っと、茜? 葵? どうした?」

 午後から仕事が休みだった政二の両足に一人ずつ、まるで蝉やコアラのようにぎゅっとくっついて来る双子に問い掛けると、双子は「あのね」と話し始めた。

「かたぐるま、して?」
「は? 肩車?」

 やってやれない事はないが、突然何故だと首を傾げて詩春を見ると、彼女はくすくすと笑っていた。

「保育所の子のパパが、今日はお休みだったらしくてお迎えにいらしたんです。そしたらその子を、パパが肩車で持ち上げて」
「……なるほど」

 そういえば、双子を肩車したことはあまりなかったかもしれない。二人一緒に肩車は出来ないからだ。腕に抱き上げる方が、簡単だったというのもあるけれど。
 微笑ましいお願いに、政二は両足にしがみつく双子の頭をポンと撫でた。

「じゃ、買い物がてら散歩に行くか」
「おさんぽ?」
「いくー!」

 一度部屋に戻り、上着を着て。家を出た政二は、「どっちが先だ?」と双子に訊ねると、慎重な葵が一瞬躊躇い、いつものように茜が先に手を挙げる。

「よしっ、ちゃんと掴まれよ?」

 茜をくるりと後ろ向きにさせ、両脇に手を入れて持ち上げる。すとん、と肩に重みを感じた瞬間。

「きゃー、たかーい!」
「いてて、こら髪を掴むな茜!」

 高くなった視界に、茜が興奮してはしゃぎ出す。それを見た葵は、恐さよりも好奇心の方が勝ったらしく、政二の足にまとわりつく。

「あおくんも!」
「はいはい、順番な。とりあえず、行くぞー」
「しゅっぱーつ! しんこー!」

 どこで覚えてきたのやら。前を指差す茜に苦笑しながら歩き出す。その隣を歩く詩春は、葵と手を繋いで、何だか幸せそうに笑っている。

「何か楽しいことでもあった?」
「え?」
「幸せそうに笑ってるから」

 そう告げると、詩春は笑みを深くした。

「松永さんと茜ちゃんが、楽しそうに笑ってるからですよ。見てる私も楽しくて……何だか、幸せな気分です」

 それは、政二も同じだ。詩春が隣にいるだけで、双子の笑顔は増えるし、政二の心も穏やかなものになる。
 傍にいてくれることが、いられる事が、こんなに幸せだとは思わなかった。
 きっとそれは、他人からすれば、とても小さな幸せだけど。いつかもっと大きな幸せを感じる時が来るかも知れないけれど、それでも────。
 そんな小さな幸せが、かけがえのない思い出の欠片となって、いつまでも記憶の片隅に在る事を、政二はそっと願った。


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