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2/26 一重ストック 「永遠の美しさ」

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2/26 一重ストック 「永遠の美しさ」
明るき陽の光を 幼なじみ三人組



『氷の中のお姫様は、もう目を開けないの?』
『そうよ。その美しさを保ったまま、ずっとずっと氷の棺に閉じ込められるの』
『かわいそう……』

 そう呟いた透子の髪を、泪花が優しげに撫でてくれたことは覚えているのだけれど。それがどんなタイトルの話だったかを忘れていたコーリは一人、大図書室の中にいた。

「あ、いた。何してるの、コーリ?」
「あ、泪ちゃん。ヨウくんも」
「一緒にお茶するんじゃなかったか?」
「え、もうそんな時間?」

 本に夢中になっている間に、ずいぶんと時間が経っていたようだ。歩み寄ってくる二人が、コーリの手元にある本を覗き込む。

「グリム童話?」
「あ、泪ちゃんなら覚えてるかなぁ? 昔、私に話してくれた、氷の中に閉じ込められちゃうお姫様のお話」

 永遠の美しさを保つ為だけに、皇帝の命により、魔法で氷づけにされてしまった一人のお姫様。その姿は王宮の一角に飾られ、長い年月が経ち……一人の王子によってその氷の棺から救い出されるという話だったはずだ。
 そう内容を告げると、ヨウが「ああ、あれか?」と記憶の片隅を掘り起こすような顔をしている。

「ヨウくん、知ってるの?」
「知ってるも何も、あれで王子役やったの俺だしな」
「……王子役? え……あれ、お伽話じゃなかったの!?」
「違うわよ。あれは、文化祭で明人くんがやった劇の内容なの」
「えー!? 私知らないっ!」

 文化祭は必ず見に行っていたのに、どうしてそれだけ覚えていないのだろうか。

「あの時透子、熱出して寝込んでたんじゃなかったか?」
「そうそう。だから後から、台本をお話風にして読んだのよ、私が。でも、どうして今更そんなことを思い出したの?」
「今日の仕事でね……」

 そしてコーリは、レインと共に刈り取った魂の事を話した。希望のない未来、救いのない現実を生きているよりも、死という永遠を手に入れたかった。恍惚とした表情でそう告げた少女は────自ら命を絶ったのだ。

「昔は、永遠に憧れていたけれど……今は、永遠の美しさよりも一瞬の煌めきの方が、価値があるように思えて」
「望めばそれこそ、永遠を手に入れられるからな、俺達は」

 そう、新たな肉体と、かりそめの命を与えられた死神は、望めば永遠を過ごす事が出来る。けれど望めばすぐに転生の準備へ入ることも出来る。
 限りある時を生きる者は永遠を望み、永遠の時に疲れた者は、限りある時を望むのかも知れないと、コーリは思った。


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