Mirage

オリジナル・二次創作小説や、好きな本の感想を綴るブログです。

Entries

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

虹霞~僕らの命の音~ とある日のお城にて

TOP

 今日はいつもお世話になっている「空想 i 」 の朱音さんのお誕生日です。
 お祝い代わりに、またもや虹霞のSSを勝手に書かせて頂きました。ほぼ突発的に書いたので、いつもよりも短めです……。
 朱音さん、お誕生日おめでとうございます♪



「時雨……お願いがあるんだ」
「どうした?」
「あのね……今夜、ここにいてもいい……?」
「……は!?」

 部屋に訪ねてきた六耀の言葉に、時雨は口をあんぐりと開けたまま固まってしまった。
 彼女が夜に時雨の部屋を訪ねてくる事は滅多にない。よっぽどの事があったかと思い、時雨は扉を開けたまま佇む六耀に近付いた。

「……何かあったのか?」
「ううん……別に」
「何か無くて、六耀が俺の所に来る訳ないだろ」

 自分で言っていて虚しいものがあるけれど、事実だから仕方がない。苦笑しながら問う時雨を、微かに潤んだ六耀の瞳が見上げてくる。

「……六耀?」
「……どこにも、行かないよね?」
「ん?」
「時雨は、ここに……ずっと、いるよね……?」

 そこでようやく、時雨は六耀の様子がいつもと違う事に気がついた。揺らめく蝋燭の明かりで気付かなかったけれど、少しだけ顔が赤い。――――熱が、ある。
 潤んだ瞳。儚げな表情。微かな炎の揺らぎに照らされたその頬に、そっと手を伸ばす。

「……俺が、いない夢でも見たか?」

 頬を、指先で撫でる。

「解ってるだろ?」

 時雨が、六耀を。どれ程求めているか。――――愛して、いるのか。そんな彼女の傍から、離れる事など……。

「例え、離れたとしても。俺はお前のところに戻って来るよ」

 だから、どうか。

「……それだけは、信じてて欲しい」

 六耀が今、求めているものが、時雨と同じものかどうかは解らないけれど、出来るなら。
 この行動を拒まないでほしい。
 そう願いながら、時雨はそっと六耀へと身を屈めた。
 六耀は、動かない。それどころか、何もかもを許すかのように、ゆっくりと瞳を閉じて――――。
 時雨はふっ、と笑うと頬に小さくキスを落とし。彼女の体を抱き上げて、寝台に横たえて。すう……っと眠りに入る彼女の髪を優しく撫でた。

*****

「……風美、お前また懲りずに何つーものを……」

 読ませられた本を呆れたように閉じながら呟く時雨と、今にもその本を焼こうとしている六耀。その正面に座り、優雅にお茶を飲んでいる風美は、あっけらかんと笑って見せた。

「あら、私はリクエストにお応えしたまでですよ? ちなみに六耀さん、それは複本ですからね?」

 だからそれを燃やしたとしても複写は可能ですよ? と、にこにこ笑って告げる風美を見て、六耀は待機させていた魔法を消した。

「というか、こんなリクエストしたの、一体誰?」
「はーい!」

 勢いよく片手をあげるのは春雷。

「ハールー……!?」
「だって、前に書いてくれた本も面白かったんだもん♪」

 面白かったでしょ? と、春雷に顔を覗き込まれて、六耀はたじろいだ。面白い、かもしれないとは思う。登場人物が、六耀と時雨でさえなければ。

「風美さん、と仰いましたわね? 是非この本を一冊、私にも売って下さいませ!」

 たまたま遊びに来ていた玲音が立ち上がり、風美の手をがしっと掴んでまで告げるその勢いに、六耀は慌てた。

「ちょ、玲音!? 何言い出すのさ!」
「六耀さまが出てらっしゃる物語ですよ!? 買わない訳には参りませんわ!」
「だよねー! ねっ、サクちゃん!」
「そうですわね。お兄様、城でも購入致しましょう?」
「……私としては、六耀と時雨ではなく、六耀と桜と私の物語ならば……」
「……お兄様……? 何か仰いまして?」
「いや、何でもないよ桜」

 桜の少しだけ黒い微笑みに、不知火はだらだらと冷や汗を流し。そんな不知火の背後から、ひょこっと顔を出したのは相変わらず奇怪な格好をした月花で。

「ああら、だったら私と六耀ちゃんの物語でも良いわよねっ」
「月花、それなら師匠である我との物語が一番に決まってるだろう?」
「妖華まで!」
「ちなみに、構想はそれだけじゃないですよ?」

 時雨さんと六耀さんのお二人で書きたい物語は、まだまだあるのです! と、風美は拳をぎゅっと握った。

「時雨さんがサボテンになったり、六耀さんが本の世界に入ったり」

 終わらぬ気配の全くない、当人達を置いてけぼりにした好き勝手な座談会。
 いつまでもそれを聞いているのも疲れて来て、六耀と時雨は視線を交わした。

「……六耀」
「うん、時雨」
「とりあえず、焼くか」
「そうだね」

「メイオン!」

 最強呪文が放たれたその真上で、六耀達に会いに来た某死神達が、爆風に吹き飛ばされそうになったのは余談である。



※朱音さんへ(私信なので反転にします)
 書こうか書くまいか、悩みました。今の朱音さんにとって、私がこうして書く事は、もしかしたらご迷惑にしかならないかも知れません。
 ただ、私にとって虹霞という物語に出会えた事、朱音さんに出会えた事は宝物です。5年という長い間、私を支えてくれた朱音さんの誕生日くらいは、せめてお祝いしたくて書きました。
 もしも、創作の世界に戻って来たくなった時、その時にまだ私がいたら、是非また仲良くして頂けると嬉しいです。
 お誕生日、おめでとうございます。朱音さんのこれからの一年が、どうか幸せなものでありますように……。


朱音さんのサイトはこちら → 「空想 i

スポンサーサイト

Comment

Comment_form

管理者のみ表示。 | 非公開コメント投稿可能です。

左サイドMenu

プロフィール

琳架

Author:琳架

web拍手 by FC2

 ↑ 9/1変更 (全6種)
 桜涙・雨弓・明陽
 図書戦・LOVE SO LIFE・ヨナ
  ※携帯版が確認出来ないので、こちらに統合しました。

Twitter・SS専用アカウント→ @sakuraironoyoru

FC2カウンター

現在の閲覧者数:

カレンダー

04 | 2017/05 | 06
- 1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31 - - -

最新記事

検索フォーム

月別アーカイブ

西暦をクリックして下さい。

カウンター

FC2ブログランキング

ランキングに参加しています。

FC2Blog Ranking

右サイドメニュー

QRコード

QR
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。