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2/25 クモマグサ 「愛らしい告白」

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2/25 クモマグサ 愛らしい告白
LOVE SO LIFE 松永家+詩春



「しはるたん……」
「うん? どうしたの葵くん」
「せーたん、あおくんのこと、すきってゆった……」

 昨日の、政二の誕生日パーティーでの事だ。茜に対抗するように、葵も政二を好きだと口にしかけて……躊躇ったのだ。祖父母の元で暮らして欲しいといわれた時、「きらい」と言ってしまったから。

「そうだよ。松永さんは、葵くんのパパにも負けないくらい、葵くんの事が大好きだよ」
「……すきでも、ばいばい、なの?」
「それは……」
「いっしょ、だめなの?」
「あおくん? どしたの?」

 折り紙に夢中になっていた茜が、葵の異変に気付いて近づいて来る。
 ばいばい、やだ。と、泣きそうになりながら呟く葵に、詩春はどう言えばいいのかが解らない。
 大人の理由を、子供に押し付けるわけにはいかないけれど……これだけは言える。彼は生半可な気持ちで、二人の傍にいたわけではないと思う。引き取り手がなく、兄さえ帰って来ない状況だったならばきっと、二人を正式に養子にでもしただろう。そうするまでに、長い年月がかかったとしても。
 一年、ずっと傍で見てきたから。施設暮らしの詩春には眩しいほどの愛情を、二人に注いでいるのを見ていたから。

「……葵くん、茜ちゃんも。ばいばいの後にあるもの、解るかな?」
「?」

 きょとん、と首を傾げた二人に、詩春は笑顔で告げる。

「ばいばいの後はね、こんにちは、なんだよ」

 別れは出会いの始まり。そして、別れはまた会おうねと約束出来る時でもあるのだ。

「……でもあおくん、せーたんに、きらいって……」
「……松永さんに、きらい、って言っちゃったこと、気にしてるんだね」

 ずっと好きだと言ってもらえたけれど、「きらい」と言ってしまった自分を、いつか本当に「きらい」になってしまうかもしれない事が、怖いのかもしれない。
 それなら、と詩春は一つの提案をした。

 そして、帰ってきた政二のあぐらの上に、葵は乗った。

「ん? どうした葵、珍しいな?」

 優しい瞳で見下ろす政二を、葵は見上げて。

「せーたん、だいすき」

 と告げた。

「葵……? 中村さん?」

 ぎゅ、と小さな手で抱き着いて来る葵の姿に、答えを求めるかのように詩春を呼ぶ。

「松永さんに、嫌いって言っちゃった事、後悔してたみたいです」
「そっか……」

 小さな体を抱き返してそっと撫でれば、いつしか葵は眠りに落ちてしまっていた。

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