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2/24 シノグロッサム 「真実の愛」

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2/24 シノグロッサム 真実の愛
桜涙 幼なじみ三人組



「朱里ちゃん、大好き!」

 偽りのない素直な気持ちを告げた後の、朱里の表情が好きだ。一瞬きょとんとして、そして僅かに頬が染まり。緩やかに綻んでいく桜の花のように、ふわりと笑う双子の姉。
 今までずっと守られているだけだった自分とは違う笑い方。それが少し淋しいけれど、今は笑顔を見せてくれる事が素直に嬉しいから。
 でも、一つだけ、藍里には面白くないことがあるのだ。

「朱里」
「竜城」
「悪い、待たせた」
「大丈夫」

 ずっと傍で聞いてきた、幼なじみの声が朱里の名を呼ぶ。その時の朱里は、藍里に見せるよりも柔らかな表情で彼を見る。

(むぅ~……)

 恋愛感情抜きで、竜城の事は大好きだけれど、この瞬間だけは憎くなる。

「……まぁた膨れてるし」
「だって、竜城ちゃんずるいんだもんっ」
「はいはい」

 以前、隠さずに竜城に気持ちをぶつけた事がある。朱里が目覚めた時も、散歩に出掛けてた時も、携帯電話を使い始めた時だって。藍里よりも先に、竜城が朱里の傍にいた。
 それはそれだけ、朱里の色んな表情を、藍里よりも先に見ているということで。

(やっぱり、ずるいよ……)

 朱里は、藍里に対して『姉』の表情しか見せてくれないから。ずっと朱里に守られていたから、それはある意味当然なのだけれど、……淋しいと、思ってしまう。
 そう告げたら、竜城は『俺だって同じだよ』と笑った。
 朱里に守られていた、という立場は一緒だと。ただ、朱里の中で竜城という存在の意味がまだ掴めていないからそう見えるだけだと。
 藍里は朱里にとって、ずっと『妹』だ。それは昔も今も、これからだって変わらない。
 でも竜城は……朱里にとっての竜城は、『幼なじみ』と言える程近い存在ではなく、ただ『妹を守ってくれる』存在でしかなくて。それでも、それだけでも、朱里にとってその存在は大切なものだった。
 その身を犠牲にしても、朱里が守りたかった人────。
 竜城はきっと、その意味を解っていない。だから、そんな事が言えるのだ。

「竜城ちゃん、朱里ちゃんの事好き?」
「い、いきなり何言い出す!?」
「え、嫌いなの?」
「んなわけあるかっ!」
「だよね、大好きだよねっ」
「……藍里お前、解ってて言ってるだろ」

 がくりと肩を落とす竜城に、勿論! と返す。うなだれた彼に、心配そうに声をかける朱里。

(まだまだ、竜城ちゃんに一人占めなんかさせないもん)

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