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2/22 ボケ 「平凡」

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拍手SSの再掲です。

2/22 ボケ 平凡
暁のヨナ ハク×ヨナ



「ハクは、いつ頃から使うようになったの?」
「何がです?」
「弓とか、槍とか……剣だって」

 ヨナより年上な分、培ってきた時間は多いはずだ。けれど、そんな小さな頃から武器を操れたはずがない。ハクにだって、平凡な子供時代があったはずだ。
 そう問い掛けると、ハクは思い切り顔を歪めた。

「ハク?」
「気づいたら、持たされてたんですよ……じじいに」

 そう、物心がつく頃には既に武器を手にしていた。風の部族の男は、大体がムンドクの教えを受けている。

「なら、どれくらい練習したの?」
「暇さえあれば、里で試合してましたね。じじいが無理矢理外に連れ出したりとか」

 野犬や獣退治にはしょっちゅう狩り出されていた。だからこそ、速さも力も、どんどん増していった。

「城に来てからは?」
「姫さんが起きる前とか、休んだ後とか……体が鈍らないくらいにはしてましたけどね。後は、……模擬訓練とかでそれなりに」

 最後の言葉だけが、妙に空々しく聞こえたけれど、ヨナはそれを訊ねることはしなかった。
 きっと、その言葉に繋がる先には────彼がいるから。

「非凡、というのかしら。ハクには元々、天賦の才が……」
「俺は平凡ですよ」
「高華の雷獣とまで呼ばれていたのに?」
「それなりの素質はあったと自負しますが、……守りきれないのは嫌だったんで」

 守れなかった、ということは、主の死に繋がる。死んでからでは……失ってからでは遅いのだ。

「努力に勝る天才なし、ということね」
「……武器が、怖くなりましたか?」
「違うわ。ただ……」

 どれほどの技量を、強さを得れば、ハクの隣に立つに相応しくなれるだろうと。ハクが守るに値する主であれるだろうと考えてしまったから。

「……強くなりたいだけよ」

 体も、心も。すべてを受け入れ、受け止めて。傷付いても乗り越える強さを手に入れたい。
 平凡に生きられる時間は、終わりを告げたのだから。

「なら、あと素振り百回追加で」
「え」
「ついでに弓も50本程追加しますか」
「……ハ、ハク?」

 つい先程、体に無理がかかりすぎだと休憩を告げられたばかりだったような気がするのだけれど。と、ハクの真意を計りかねていると、彼は優しく笑った。

「とりあえず、その血豆を手当してから、ですが」

 いつの間にか指の付け根に出来てしまった血豆をそっと撫でられて、何故かヨナは気恥ずかしくなって俯いた。

暁のヨナ 目次

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