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2/19 金魚草 「でしゃばり」

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拍手SSの再掲です。

2/19 金魚草 でしゃばり
桜涙 幼なじみ三人組+一海


 前を歩く竜城と藍里を見守るように、朱里と一海はのんびりしたペースで歩いていく。

「綺麗……」

 周囲には色とりどりの花。……今まで世界はすべて灰色だったけれど、ようやく色づいた世界に慣れてきた。

「朱里ちゃん!」
「きゃ!?」

 無くしていた色を取り戻すかのように、、目の前の光景を、遠くに見える山や青い空を見ていると、突然藍里が抱き着いてきた。

「……藍里? どうしたの?」
「そんな瞳、しちゃやだよ……」

 そんな瞳? と、困惑しながら一海を見れば彼は苦笑し、竜城もどことなく切なげに朱里を見ていた。

「竜城……?」
「お前がそんな瞳してると、さ。ここにいないみたいで、……怖い」
「どこか行っちゃいそうなんだもん、朱里ちゃん……」
「……どこにも、行かないわよ?」

 だって、帰る場所は一つだけだから。もう、死を運ぶ黒い翼は朱里の背にはないから。
 本当? と瞳を潤ませて訊ねてくる妹に、朱里は笑って頷いた。

「……あ、ほら朱里、あっち。藍里の花だ」

 しんみりした空気を払拭するかのような、明るい竜城の声に促されて見た花は。

「あ……」
「私の花? って、金魚草じゃないっ! これが私ってどーゆー意味、竜城ちゃん!?」
「イメージだろっ、何そんな怒ってんだよ! いてっ、こら藍里!」

 あっという間に朱里から離れ、竜城に拳を向ける藍里。
 初めてここに来た時、竜城の中の藍里のイメージが金魚草で。その花言葉を、彼に伝えるのをすっかり忘れていた。

「私、でしゃばりじゃないもん!」
「でしゃばり? って何だそれ」
「金魚草の花言葉!」

 はた、と竜城の動きが止まり、視線が藍里と凝視して。

「……そのまんまじゃん」
「ちーがーうーっ!」

 目の前で騒ぐ竜城と藍里を、くすくすと笑いながら見ていると、隣に立つ一海が確か、と言葉を紡いだ。

「……他にも花言葉、なかったか?」
「……図太い、とか、騒々しい、とか」
「……なるほど」

 今のこの状況を見ていれば、その花言葉はピッタリだと、一海も納得してしまう。

「せめてもーちょっと可愛い花言葉のにしてよね!」
「例えば?」
「スノードロップとか!」
「「有り得ない」」
「っ、一海お兄ちゃんまで~!」

 竜城だけではなく一海にまで真顔で却下され、ガクリと肩を落とした藍里は見事に頬を膨らませて拗ね。
 それを宥めるのにまた、桜アイスが登場したのだった。

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