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2/11 フリージア<白> 「あどけなさ」

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拍手SSの再掲です。

2/11 フリージア<白> 「あどけなさ」
LOVE SO LIFE 松永家+詩春


「せーたん、やりたい」
「あおも!」

 あどけない仕草で両手を差し出す茜と葵に、政二は首を傾げた。
 今、政二がしているのは食事だ。煮豆を一つ、箸でつまんで口に入れただけ。そんな最中に「やりたい」と言われても何の事やら解らずにいると、醤油さしを持って来た詩春が助け舟を出した。

「茜ちゃん、葵くん。やりたいってなぁに?」
「「おはし!」」
「箸?」
「……あ、もしかして……」

 二人の言葉に、詩春は一つ思い当たる事があった。子供向けの料理番組の中で、菜箸を使って大豆を別の皿に移す対決があったのだ。二人は何故かそれを真剣に見ていた。
 それを政二に話せば、彼は「何に興味を持つか、解らないもんだね」と笑いながら席を立ち、昔自分と兄が使っていた子供用の古い箸を取り出して来た。

「うまく使えるようになったら、お前達の箸もちゃんと買おうな」

 今はこれで、と一膳ずつ渡す。

「松永さん、お食事続けて下さい。二人は私が見てますから」
「ありがとう」

 先に夕飯を済ませていた詩春の申し出を有り難く受け、政二は茜と葵の視線が自分の箸使いに向けられていることを意識しながらゆっくりと食事を再開した。

「こう?」
「違う違う。上だけ動かすんだ、ほら」

 葵が箸を動かして見せるが、全部の指が動いているために、箸先がなかなか噛み合わない。行儀が悪いとは解っているが、政二は食事の手を休めて、箸先を小さく合わせてみせる。

「う~……」

 難しいのか、葵の頬が膨らむ。

「茜ちゃん、もう少し上の方持ってみて? そうそう」

 手を添えて、指先の感覚を覚えさせ、離して子供達だけで実行させる。
 それでもなかなか合わない箸先に、葵と茜の瞳は真剣そのものだ。

「感覚を覚えてしまえば、後は早いんだけどな」
「後は力加減ですからね。柔らかいものとか」
「……そういえば。いつだったか会社で飲みやった時、鍋だったんだけどさ」
「はい?」
「豆腐、ぐっちゃぐちゃにしちゃった人いたんだよね……」

 まぁ、ほぼ酔っ払ってたんだけど、と政二は笑う。ちなみにそれは、取り分けたあとのことだったから、他に被害はなかったのだが。彼は政二の隣で「食べれねぇ~!」と笑っていたらしい。

「……酔うと、そんな風になる方もいるんですね……」

 当然ながら、まだ未成年の詩春には未知の世界だ。面食らったのか、きょとんとする表情が普段よりあどけなく見えて、政二は詩春の頭をそっと撫でた。

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