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2/09 コブシ 「友愛」

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2/09 コブシ 「友愛」
暁のヨナ ハク+スウォン


「戦場に……グルファンがいたね……。ハクと、……スウォンが、昔一緒に育ててた鷹……」

 確かに、いた。スウォンの肩に止まって、彼が王であることを知らしめるように。
 ……イル王を殺した事実を、突きつけるかのように。

「……さあ。忘れました」

 嘘だと、自分でも解っている。ヨナもそれは解っているだろう。
 それは、今でも鮮やかに思い出せる記憶の中にあるのだから。
 あの頃は、互いに対等であれと、無意識のうちに望んでいた。その背を支える者でありたいと、願っていたはずなのに。

 ぴぃー、と高く口笛を鳴らす。バサリ、と力強い音を響かせて、スウォンの差し出した腕に止まるのは、勇猛なる鷹────グルファンだ。
 鷹は、権威の象徴として古くから王家で育てられてきた。ヨナは姫であるが故に、王になる事はない。なるとするならばそれはヨナの伴侶になる誰かか、現在の王家ではユホンとイル、そしてスウォンのみ。
 だからこそ、スウォンは鷹を従えることを覚えさせられた。それにハクが加わったのは、当然スウォンが「一緒に」と誘ったからだ。

「だいぶ、鷹の扱いが上手くなりましたね」
「本当ですか!?」
「ええ」

 鷹匠である男性に褒められて喜ぶスウォンの隣で、ハクがそっと腕を差し出せば、グルファンはひょいっ、と飛び移る。

「さすがお二人の鷹ですな。利口です」
「ですって、ハク」
「スウォンの育て方が良いんだろ。いてっ」

 何が気に食わなかったのか、グルファンはハクの髪飾りを嘴でくわえて引っ張った。

「あはは、グルファンが怒ってます」
「いてっ、こらグルファン!」

 ぴ、とスウォンが僅かに口笛を鳴らせば、グルファンはハクの髪飾りを引くのをやめて、大人しくなる。
 己が褒められるのはくすぐったくて、互いに互いが褒められると嬉しくて。

────そんな二人だったはずなのに。

 今はもう、その距離はとても遠い。確かに友愛を感じていたと言えるのは、いつまでだったのだろう。
 ハクはずっと、友人だと思ってきた。それこそ、スウォンがイル王を「地獄へ送って差し上げた」と発言するまでは、ずっと。
 けれど、スウォンにとっては……ハクは何だったのだろう。友人ではなかったのか。その背を預けられるに値しなかったのか。
 切ない感情を察したかのように、ヨナの唇から「ありがとう」の言葉が零れ落ちたのは、すぐ後のことだった。

暁のヨナ 目次

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