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2/07 黄梅 「控えめな美」

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2/07 黄梅 「控えめな美」
Angel's Ladder クライド×フィルカ


 初めてフィルカを見た時、月光を浴びてひっそりと咲く花のような姿に魅せられた。控えめな美────そんな言葉が相応しいとさえ思った程に。
 傷の癒えた天使が今日も一人、天へと帰る。それを見届けた、師────シェインは、フィルカの傍へと近づく。クライドもその後ろを付いて行き、彼女の細く柔らかな金髪が揺れるのを黙って見ていた……。

 目を開けたら、何故かフィルカに抱き着かれ、その勢いで床に頭を打ち付け。思わず「痛いです!」と言葉にしたけれど。
 抱き着くフィルカの体が、震えていた事に気づいて、クライドはそっと彼女の名を呼んだ。

「……フィルカさん……?」
「何で、さん付けなのよ……っ!」
「なら、……フィルカ。どうしたんですか? というか僕、死んだはずじゃ」

 王家に繋がる血を持つ者、隠し子たる存在を公にしない為にクライドは呪いをかけられた。そしてどうせ殺されるのならと、自らの血を使って、フィルカの足枷を解いたはずだ。その時点で、呪いは完全にクライドの体を蝕んでいたし、フィルカに一緒に天へ行こうと言われて頷いたことまでは覚えている。存在は違えど、愛した彼女に魂を運んでもらえるのなら本望だった。それなのに。

「神様に頼んで、あなたを天使にしてもらったの」
「え……」
「だって、あんな……あんなやり方をしてまで、私を天に帰してくれたあなたに、私が出来る事なんて、それぐらいしか」

 体を起こしたフィルカの瞳から、透明な雫が零れ落ちる。

「ごめんなさい────勝手に」
「……何故謝るんです」

 クライドはその涙を拭おうと指先を伸ばし、そのまま彼女を抱き寄せ、そして、優しく唇を塞いだ。

「ク、クライド何を……っ!」
「言ったはずですよ?」

 口元を押さえて、顔を赤くするフィルカに、クライドはニッと口角を上げて続ける。

「あなたが好きだと。天使としてではなく、一人の女性として」
「わ、私は……ただ」
「解ってます、あなたが僕を男として見ていないことくらいは。だから」

 華奢な体を抱きしめて、耳元で囁く。

「覚悟してくださいね?」

 同じ天使という存在になれた事を感謝こそすれ、責めるつもりは毛頭ない。むしろ、人間と天使という壁が無くなったのならば、もう遠慮はしない。
 そういたずら顔で笑ったのが癪に障ったのか、フィルカに思い切り両頬をつねられたクライドだった。

Angel's Ladder 目次

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