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140字log 【暁のヨナ】 11

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※Twitterでは好き勝手に書いてますので、未来設定・現パロもあります。
閲覧の際はご注意下さい。

・【信じてる】
・【実感】
・【膝枕】(ハクヨナ真ん中バースデー)
・【ありがとう】
・【夜の帳】
・【深く、淡く】

【信じてる】

 誰に裏切られたとしても、ハクだけは――――信じようと決めた。
 ハクだけは裏切らないで。そう告げた時、彼は力強い瞳で答えた。
「俺は、あんたを決して裏切らない」
 その言葉をもらうまでは、とても……怖かったけれど。
 ハクとスウォンは、本当に仲が良かったから。
 だから、いつかヨナを置いて彼の元へと行ってしまうのではないかと、……怖かった。
 でも、今は――――。
「姫さん?」
 訝しみながらも見つめてくるその瞳が、嘘かどうかぐらいは解るようになったと思う、から。
「信じてる、からね」
 に、と不敵な笑顔が答えだった。

【実感】

 こわごわと伸ばされた指先を、力強く握り込む。
「……怖いですか?」
「……怖いわけではないの。ただ、幸せだと思ったら」
 手が震えた。彼が傍にいてくれる事が、まるで夢幻の幸せのようで。
「夢には、させませんよ」
 腕を引かれ、ヨナの体はハクの胸の中に雪崩れ込んだ。

【膝枕】(ハクヨナ真ん中バースデー)

「……ハク、くすぐったい」
 ふわふわと指先で髪を弄ばれている感覚に、ヨナはフッと目を開けて、彼を見上げた。
「……人の膝枕でさっきまですやすや眠ってた人に、文句を言う権利はないですよ」
 絡め取られる髪は、二人を繋ぐ赤い糸のように見えた。

【ありがとう】

「終わりだ!」
 叫ぶと同時にハクが駆け出す。彼に向かって大刀を振り下ろした瞬間。
 小柄な人影が、スウォンの前に立ちはだかり、ハクは振り下ろした武器の軌道を咄嗟に変えた。
 スウォンを切り裂くはずだった大刀は、重い音をたてて見事に床にめりこむ。
「……何、してんですか」
「……ごめんなさい。でも、……殺さないで」
 小柄な人影――――ヨナは、ハクの瞳を真っすぐに見て、そう告げた。
「解ってんですか? そいつは」
「解ってるわ。父上の仇だって。だけど……お願い」
 強い意志を込めたその瞳に、ハクが逆らえるはずもない。溜め息をつき、武器を納めた。
「ヨ、ナ……?」
 呆然と、ハクとヨナのやり取りを見ていたスウォンが名を呼んだ。
 振り返り、膝をついて、彼と視線を合わせる。
「スウォン。……私ね、あなたが好きだった」
 どんな時も想ってた。城を追い出されてからも、スウォンを思い出す事は度々あった。
「憧れ、だったけれど」
「だから……?」
「というわけではないわ。でも、……私はあなたを殺せない。死んで欲しいとも思わない」
 例え、愛しき父の仇だとしても。
「……ハクも、そうでしょう?」
「見破られるとは、思いませんでした」
 彼の大刀は、元から致命傷を――――心臓や首を、狙ったものではなかった。
「そうじゃなかったら、今頃私は真っ二つのはずだもの」
 くすくす、見透かすように告げると、ハクは苦虫を噛み潰すような顔をして。
「……スウォン。生きて」
「何を……」
「このまま城でもいい。国を旅するならそれでもいいわ。ただ、どんな形であれ」
 あなたには、生きていて欲しいの。
「この国の行く末を、見届けろと?」
「そうね……それもいいかも知れないわ」
 私と、ハクと。仲間達が紡ぐ未来を。その目で見て、感じて、確かめればいい。
「そんな大層な事言って、いいんですか姫さん?」
「あらだって、ハクが傍にいれば、私に怖いものなんて何もないもの」
「……あっそ」
「あ! 何その言い方!」
「はいはい、俺はこれから先もわがまま姫のお守りですねー」
「ハク!」
 ああ、そうだった――――スウォンは唐突に思った。
 彼女はいつも、ハクにだけはこんな姿を見せていた。幼い頃から、ずっと。
「ハク」
 久しぶりに、彼の名を呼んだ。
「……何だよ」
「ありがとう」
 殺さぬように、ぎりぎりまで手加減をしてくれていたのだろう。
「礼なら姫さんに言え」
「そうですね。……ありがとう、ヨナ。それから……ハクと、幸せに」
「……ありがとう」
 スウォンが、感謝の言葉を紡ぎ、幸せを願った瞬間。ハクに寄り添う彼女が可憐な笑顔を見せた。

【夜の帳】

 細い手首を寝台に縫い止めて、自分を見つめる瞳に笑いかける。広がる髪を一房掬い、唇を寄せて。
「……何か、悔しいわ」
「ん?」
「やっぱりハク、慣れてる」
 拗ねたような声音が愛しくて、続く言葉を封じるように優しく奪った。

【深く、淡く】

「ハク、苦し……っ」
「手ぇ出して良いって言ったのは姫さんですけど」
「そうだけど!」
 こんなに深くて、意地悪な口づけなんて知らない。
「こんなんじゃ、全然足りませんよ」
 本当なら、もっと――――。首をもたげる欲を殺しながら、口づけた。
 さすがに苦しくなって、ドンとハクの胸を強く叩く。それでも彼には全然こたえていないようだが。
「降参、ですか?」
 余裕のあるその口調が、悔しくて。
「っ!?」
 ハクの服を掴んで引き寄せ、屈ませて。自分は踵を浮かせてぶつかるように口づけた。
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