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オリジナル・二次創作小説や、好きな本の感想を綴るブログです。

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140字log 【オリジナル・その他】 02

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・【キスの日】
・【切ないキス】
・【虚無と彩】
・【その名は】
・【瞳に言葉】
・【嫉妬】
・【うそつき】
・【選択】
・【謝罪と許し】
・【心ごと】

【キスの日】

 首裏に回された手が、力を加える。されるがままに引き寄せられて、柔らかく唇が触れた。
 思わず止めてしまっていた呼吸をしようと僅かに唇を開けば、ぱくりとじゃれるように食まれる。くすぐったくて、けれど意外な一面を見たかのようで嬉しくて、喉の奥で笑った瞬間――口づけは深くなった。

【切ないキス】

「……好き……」
 言葉を紡ぐと、淡雪を溶かすような微笑みに変わった。
 細い顎に指先が触れ、少しだけ上向かせられる。
 ゆっくりと間近に迫る彼の顔を、彼の瞳を、受け止めた。
 微かに、触れるだけ――――切なくなる程に。
「……俺も、だけど」
 もう、戻れない。

【虚無と彩】

 全ての色が、消えた。
 もう、あなたはどこにもいない。私の手の届かぬ所へ行ってしまった。
 否、届かぬ場所へ行けと命じたのは私。そうでもしなければ、あなたの翼を切って、閉じ込めてしまうから。
 だけど、あなたがいないこの世界は――――。
「何て顔、してんだよ」
「……幻……?」
「な、わけあるか」
 そこにいたのは、手を離したはずの人。自由な翼で、羽ばたいていったはずの人。
「どうして……」
「俺がいたいのは、『此処』だから」
 しゃがみ込み、視線を合わせた彼の姿が、徐々に色づいていく。
 ……世界に、色が、戻って来た。

【その名は】

「言葉がね、出て来ないの」
「ん?」
「私、こんな感情知らない……。嬉しいのに、苦しくて。落ち着くのに、落ち着かない」
「……ちょ、待て」
 それは一体誰に向けてる感情だ!? と、思わず慌てる。
「ね、知ってる?」
「っつーかその前に、誰に対しての感情なのか教えろ」
「え? ……それは、ダメ」
 ダメって何がだよ! と心の中で叫ぶも、それをぶつける事は出来なかった。
「……言ったら、多分困らせるから」
 いや、今困ってんのは俺の方――――とは、またも言えず。
 仕方ない、と溜息をついて教えた言葉に、彼女は途端に真っ赤になった。

【瞳に言葉】

(殺せるわけが、ない)
 酷薄な言葉を投げつけられても。憎悪に満ちた瞳で睨まれても。
 攻撃は、全て急所から外れている。それに。
(すきだ、って、言ってる……?)
 声音の奥に、瞳の奥に、隠し切れていない想いが見える。だから。
「殺せない……っ!」
 剣を、落とした。
「……馬鹿だよな、お前」
「どっちがよ!」
 何が間違って、敵になどなってしまったのだろう。願う未来は同じだったはずのに。
「うん、……俺も馬鹿だ」
 からん、と剣が投げ落とされる。伸びてきた腕が、体を引き寄せる。
「……ごめんな」
 囁きは、すぐさま空気に溶けた。

【嫉妬】

 目が会えば、逸らされて。
 手を伸ばせば、すり抜けて行く。
「で、理由は?」
 逃げ出せぬようにしっかりと抱きしめたまま、問い掛ける。
「理由なんて……」
「で?」
「……あの子の事、抱きしめてたから……」
「妬いた?」
「……そういうトコ、嫌い」

【うそつき】

「好きだ」
 身体が震えた。嘘でも言わないでと、願った言葉に。
「や……離してっ」
 渾身の力を込めて、彼の腕から逃れる。瞳から雫が零れ落ちる。
「……言わないって、言ったじゃない……」
 呟くように、けれど瞳だけは彼を真っ直ぐに見つめて、彼女は告げた。
「うそつき……っ!」

【選択】

「お前が選んで」
「何、を……?」
「このまま別れるならそれでもいい。だけど俺は、お前を好きでいる事をやめるつもりはない」
 どうして。どうしてこの人は、こんなに嬉しい言葉をくれるのだろう。
 彼は、選ぶのはお前だと言った。ならば……。
「私で、いいなら……そばにいたい……」
「え……」
 きゅっ、と彼の手を掴んで、未だ不安に揺れる瞳を見つめる。
「離れたくない……。そばにいたい。それでも、……いい?」
 返事は言葉ではなく、優しいキスだった。触れるだけの……羽のようなキス。
「……ありがとう」
 そういって微笑んだ彼は、片腕で華奢な体を抱き寄せた。

【謝罪と許し】

「……また、何も言わずにいなくなる気だったの……? どれだけ私に後ろめたいのよ!?」
「当たり前だろ! お前を傷つけた俺が、どの面下げて、今更……っ」
 それ以上聞きたくなくて、思い切り彼の頬を張った。
「……今更? それを言うの!?」
 それならこの数ヶ月は何だったというのだ。
「……私、何も聞いてない……!」
「え……?」
「ごめん、の一言もなかったら、私だって許して良いか解らない……っ!!」
 だから、ずっと。何も言えなかった。忘れたの? と問いかけたかったけれど、蒸し返したら今のこの時間が壊れてしまいそうで。
 儚い幻のようで、ずっと、怖くて。
「私は、どうすればいいのよ……」
 泣くつもりなんかなかったのに、必死に堪えても、瞳は熱くなるばかり。
「あんたが、また逃げるなら……っ。今度は私、追いかけてくからね!」
 潤んだ瞳のまま睨み付けると、彼は一瞬呆気にとられて、そして。
 お前には負けるわ、と笑ってくれた。

【心ごと】

「忘れるな。俺がいる事。俺が、本気で守りたいと思っている事を」
 体だけじゃない。心ごと守りたい。その為に力を磨いてきたのだから。
「ただ、……忘れずにいれば、それでいい」
「……甘えて、しまうのに?」
「一人で泣かれるくらいなら、甘やかした方がマシです」

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