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オリジナル・二次創作小説や、好きな本の感想を綴るブログです。

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夜明けの光 小話 【幸せを願って】

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突発的&勝手にお祝いSSです。


「きゃっ」
「あらあら。ふふ、アーシャ様、お顔が粉だらけです」

 レサリーアを探して厨房へとやって来たフレイルは、妹の軽い悲鳴と愛しき少女の笑い声に首を傾げた。

「どうしたんだ?」
「あ、兄様!」
「……アーシャ、さすがに白粉を塗り過ぎでは……」

 顔中が真っ白になってしまっている妹に訊ねると、アーシャは「違いますっ!」と力一杯否定した。

「小麦粉を振るいにかけてくださっていたのですけど、思ったよりもその、豪快というか……」
「なるほど」

 豪快に振るった為に、粒子の細かい粉は舞い上がり、アーシャの顔に張り付いたというわけだ。

「アーシャ、顔洗っておいで」
「……はい。でもレサリーア、続きは待っていてね!」
「はい、お待ちしています。あ、それから、汚れてもいいドレスにお着替えなさった方が宜しいかと」

 その言葉に明るく返事をして、アーシャは厨房を出ていく。レサリーアは砂糖の分量を計る為にフレイルに背を向けた。

「え……フレイル様?」
「一体何を作り始めたんだ?」

 背を向けられたのが何となく淋しくて、フレイルはいつの間にか彼女を背後から抱きしめていた。

「お誕生日のお祝いで、焼き菓子を作ろうと」
「誕生日?」

 曰く、今朝、ティルに呼ばれたアーシャとレサリーアは、一枚の紙を見せられたのだそうだ。そこには、『指令書。お世話になってる方に贈り物を作ること! 去年はケーキだったから、今年は別のもの作ってね♪』と書かれていて、ティルはその贈り相手も、その指令書にも心当たりがあるようだが、とりあえず何か作ってくれと言われたらしい。

「ですので、あの……離して下さい……」
「……嫌だっていったら?」
「そんなわがまま、仰らないで下さいませ」

 くすくす笑うその声が、鈴のように軽やかで、わがままを言った己が少し、気恥ずかしくなった。

「その方は、私達の幸せを願って下さっていると、ティル様が。ですから私も、ほんの少しでも喜んで頂きたくて」
「……ああ、そうだな」

 ならば、自分はメッセージカードを贈ろう。自分達の幸せを願ってくれた彼の人にも、幸せが降り注ぐように。

「作り終わったら、包む前に呼んでくれるか?」
「はい。まだ時間はかかりますから、ごゆっくりどうぞ」

 そして、レサリーアとアーシャが作った木の実入りの焼き菓子と、フレイルが書いたメッセージカードは、いつの間にか置いておいたはずのテーブルの上から消え。
 代わりに、一枚の紙が置かれていた。

『配達は任せてね♪』

 姿無き配達人が、無事に彼の人に贈り物を届けてくれる事を、フレイルは一抹の不安を抱えながら祈った。

夜明けの光 目次


 ※後書き(になっていない後書き。反転してます)
 確か今日は、相互リンクさせていただいている「F/フェオ」の朔夜さんのお誕生日(のはず)なので、勝手にお祝い代わりに書いてみました。
 お誕生日とサイト開設記念日、おめでとうございます!


 ちなみに配達人は雨の弓メンバーで♪
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