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オリジナル・二次創作小説や、好きな本の感想を綴るブログです。

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暁のヨナ 失いたくない

暁のヨナ 目次へ 二次創作Index

またまたTwitterの絵からです。素敵な絵なんですよ~! 
元の絵はこちらから。
最後のシーンのハクヨナ絵まで書いて下さいました! こちらです!




「何つーか、以外と呆気なく揃いましたね、四龍」
「ふふ、そうね」

 二人で薪を拾いながら、何の前触れもなくやって来て、何の躊躇いもなく仲間になってくれた黄龍ゼノを思い出す。

「後は、剣と盾……とはいうけれど」
「剣と盾そのものか、はたまた人物か、それに準えたものか。これだから予言ってのは」
「そう言わないの」

 はっきりしない事が嫌なのか、ハクの口調はどこかうんざりしたようで、それが何故だか幼く感じて、ヨナは思わずくすくすと笑う。

「伝説の、神の如き力……か」

 呟きながら、いつの間にかヨナが両腕で抱える程になったたくさんの薪を、ハクの手が攫っていく。
 自分で持つ、と言葉にするその前に、ヨナに背を向けた彼の言葉が、胸に突き刺さった。

「俺がいなくなったとしても、あいつらがいれば大丈夫ですね」

 声に色がない。無機質の声音。何の感情も読み取れない言葉。
 急速に、ヨナの胸の奥が冷たくなっていく。
 心に出来た隙間に吹き込むかのように、乾いた風が周囲の木々の葉を揺らす。

「……どうして、そんな事を言うの……?」

 ザァ、と葉擦れの音が殊更強く響いて、ヨナの言葉をかき消してしまう。

「何か言……?」

 振り向くのを止めるかのように、ヨナは目の前にあるハクの上着に手を伸ばし、強く強く握り込んだ。

「どうして……お前は、そうやって」

 自分がいなくなるのが当然であるかのように言うのだろう。いつかヨナの前からその存在自体が消えてしまうかのように……。

「お前はいつもそう。私ばかりを優先して、自分の事は蔑ろにして……っ!」

 違う。ヨナが言いたいのは、こんな言葉ではないのに。
 ヨナは「姫」で、ハクは「従者」。それは間違っていない。けれど、今――――ハクに告げたい言葉は、「姫」としてではない。ハクの主ではない、ただのヨナとして……。

「姫さん……?」

 沈黙にか、ヨナの姿にか、ハクの戸惑ったような声が聞こえた。

「大丈夫、なんかじゃ、ない……っ!」

 ハクがいなくなっても大丈夫だなんて。確かに、いつかはそう言えるようにと願ったけれどそれは、ハクが生きていて、ヨナがその存在を感じていられる場所での話であって……。
 己の気持ちしか考えていないのは解っている。それでも。

「ハクだけは……そばにいなきゃダメ……」

 もう遠い昔に思えてしまうあの日も、泣きながら告げた言葉。言葉は同じでも、込めた想いは全然違う。
 ハクの事が大切なのは変わらないのに、何が違うのか、ヨナにさえ不確かな想い。
 囁くように告げた言葉の余韻は、薪の落ちる音にかき消され。
 気付けばヨナは、ハクの腕の中だった。

「ハ、ク……?」

 痛い程に抱き竦められて、身動きが取れなくなる。

「……生きてる限り、傍にいますよ」

 ハクのその言葉は、ヨナが願うのとは違うものだったけれど、今は。
 この存在ひとに包まれていたくて、ヨナはそっと瞳を閉じた。  

暁のヨナ 目次
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  • 2015.05/19 00:50分
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