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オリジナル・二次創作小説や、好きな本の感想を綴るブログです。

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暁のヨナ 同じ想いなら

暁のヨナ 目次へ 二次創作Index

Twitterにて一目惚れした、とあるハクヨナの絵に、勝手ながら文章を書かせて頂きました。
一部、ツイートを引用している上に、普段より短いですが……。

素敵なハクヨナイラストを描かれる桜玉さんのTwitterはこちらです。美麗な絵をお楽しみ下さい。
元の絵へのリンクはこちらです!!



 ハクに対する想いを自覚したのは、最近の事。まだ、言葉にはしていないけれど。
 慌ただしさが一息ついて、身も心も休息を得た途端、何故かヨナは、ハクの顔がまともに見られなくなった。
 今もそう、廊下を歩いていたヨナと、部屋から出ようとしたハクがばったり会って、反射的に踵を返そうとしたのに。
 腕を掴まれ、あっという間に部屋に引き込まれ、閉じた扉に背を押し付けられて、……逃げるのは、不可能だった。

「……何で、逃げるんですか」

 身を屈め、ハクが囁く。

「へ、部屋に忘れ物して……」
「嘘はいいです」

 二の句が告げられぬように簡潔に放たれた言葉に、ヨナは思わず肩を震わせた。

(だって、言えるはずがない……)

 言えない。言ってはいけない。ハクに自由を返す為には、ヨナのこの感情は邪魔なだけだ。
 だから、自分の中にしまい込む。瞳からも、口からも、指先からも、何も伝わらぬように……。
 ぎゅ、と瞳を強く閉じると同時に俯けば、武骨で、でも温かな手が、ヨナの左頬を撫でた。

「……俺は、もう、あんたに必要ないのか……?」

 切なく、耳に届いた声に、ヨナは小さく首を横に振る。
 そんなはずはない、いつだって傍にいてほしいと願ってる。でももう、ハクを縛る鎖も柵も、誓いも既にないのだから。
 言葉に出来ずに黙り込むヨナの、少し伸びた暁色の髪が、ハクの指先でそっと梳られる。

「……姫さん」

 囁きに似たその声が、近い。

「顔、上げて下さい」

(~~~無理……っ!)

 息遣いが聞こえる程に、ハクとの距離は近くて、優しく髪に触れられて。何よりハクの声音がいつもと違う。
 切なくなるような、ヨナが勘違いしてしまいかねない程愛しさを含んだ、甘い、声――――。
 そんな声に導かれて、まともに顔など見られるわけがない。

(ずるいわよ、ハク……!)

 逃げ道を塞いで、何が何でも答えさせようとするのなら、きっとヨナは黙り通せた。……触れる温もりと、答えを促す声さえなければ。

「……いー加減、俺も限界なんですよ」
「え……」
「答えないなら。……答えたくないなら、それでもいいですけど」

 扉を押さえ付けていた腕が離れ、ヨナの肩に触れた。

「……逃げないなら、このまま――――」

 ぐ、とうなじに手を当てられて、無理矢理顔を上げさせられる。
 反射的に開いた瞳で、ハクを見つめる。
 ――――解って、しまった。

(ハクも、同じ……?)

 ヨナを見つめる瞳が、揺れている。何か変化があるとすればそれだけなのに、何故かヨナは、そう思った。

(同じ、なら……)

 我知らず零れた微笑みにも気付かず、ヨナはゆっくりと瞳を閉じて、ハクが触れる瞬間を待った。

暁のヨナ 目次

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