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2/02 ウメ<紅花> 「あでやかさ」

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拍手SSの再掲です。

2/02 ウメ<紅花> 「あでやかさ」
暁のヨナ ハク×ヨナ


 賭け射的で見事勝ったハクは、ヨナを連れて再び市を見て回り始めた。

「姫さん?」

 ふ、とヨナが足を止めたのは、女性用の髪飾りを売っている小さな店で、小太りの女性が「いらっしゃい」とにこにこ笑っている。
 ヨナがつい、と手に取ったのは、昔彼女が持っていた髪飾りに良く似た物だった。

「懐かしいですね」
「うん……」

 それは確か、2年程前のこと────。

*****

「ハク、見て見て!」

 城下から戻ってきたハクに向かってパタパタと駆けて来る、自分の主である14歳の皇女に呼び止められて、ハクは歩みを止めた。

「どうした、姫さん」
「だから、見てってば」

 両手で裾を持ち上げて、くるり、と回転するヨナを見て、何が言いたいのかが解ったけれど、ハクはわざと小首を傾げた。すると、ヨナは僅かに頬を膨らませて、ハクを見上げてくる。

「この衣、新しく仕立てたの! 似合う?」

 淡い桃色から濃い紅へと染められた衣装。ああ、こんな色も似合うようになったのかと、妙な感心をしてしまった。

「離宮に咲く牡丹みたいな色でしょう?」

 ここで己を牡丹そのものに例えないのがヨナだ。姿だけ見れば、艶やかに咲き誇る大輪の牡丹に例えることも出来るだろうに。けれど。

「……行動が伴ってないからなぁ……」
「え?」

 くっ、とハクは喉の奥で笑う。まだ14のこの姫はただ、本当に純粋にその衣が似合うかどうかを聞いているだけだ。立てば芍薬、座れば牡丹などという言葉を連想したハクには、まだまだ無邪気なその行動が可愛らしかった。

「……そんなに、似合わない……?」

 見るからにしゅん、と肩を落として俯いたヨナの、赤い髪に挿した小さな簪がしゃら、と揺れる。
 きらきら輝く小粒の真珠にそっと触れてから、ハクはヨナの頭を撫でて、似合ってますよと告げたのだ。

*****

 白い小さな髪飾りを手にしたままのヨナに、声をかける。

「欲しいですか?」
「……え、でも」

 結う髪がなくなっても、スウォンから貰った簪は未だに持ち歩いているのに────と、小さな嫉妬心が首を擡げる。だからハクは、ヨナの手から髪飾りを奪って会計を申し出た。

「これ、貰うわ」
「え、ハク!?」
「ちったぁ女らしくなるんじゃないですか?」
「どういう意味よ!」
「ほら、……似合う」

 耳の上の髪の一房にふれて、くるりと髪飾りに巻き付けて。耳元でそう笑えば、ヨナの頬にパッと朱が散る。
 まだまだ、艶やかさとはほど遠い────。そんな風に思いながら、ハクはヨナの髪をそっと撫でた。

暁のヨナ 目次

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