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暁のヨナ 恋じゃない

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 3日の昼に会った友人から、「(ヨナで検索してたら)Twitterに(このブログの)URL載ってたよ」と画面メモ? をしたスマホの画面を見せられました。どうやらヨナのSSを読んで下さってる方が目次ページのURLを載せて下さったようです。
 私自身はTwitterをやっていませんし、ガラケー(かれこれ5、6年の)故に過去のツイートまでは見られません。PCで探そうにも、探し方が解りません(苦笑)ので、とりあえずお礼代わりにざかざか書いたSSを投下です。タイトルと中身が合ってないような気もしますが……。
 5/9、成り行きでTwitter始めました(笑)けど、結局どなたかは解らずじまい……検索の仕方が悪いのかな?

 17巻94話、こんなんだったらもっと意識してるかな? のSSです。

『ハクも、鼓動が跳ねれば良いんだわ』



『好き。大好き』

 しつこいテジュンを追い払う為だけに告げた言葉。ハクに恋愛感情なんてなくて、ただその場を凌ぐための嘘だからこそ、言えた言葉。
 今は――――……きっと、嘘でも言えない。

(私が、ハクを好き……?)

 カルガンに問われたけれど、何を言われているのか解らなかった。否、解らなかったのではなくて、反射的に違うと思った。
 ヨナが知っている「好き」は、スウォンに対して抱いた感情のみ。
 ハクはハクでしかないし、勿論嫌いなはずもない。好きだけど、でもスウォンに向けて抱いた恋心とは、全然違う。

(こんな……複雑な想いは――――)

 守られるばかりでは嫌、ヨナもハクを護りたいと思う。失いたくない、傍で共に闘って、いつかその背に追いついて。互いに支えられるようになりたい。
 傍にいたくて、いて欲しくて。時折、彼が見せる真剣な瞳からは離れたくなるのに、いざ離れられると淋しいと思う、だけど。

(……恋、なんかじゃ……)

 解らない。自分の気持ちなのに、この想いにどんな言葉を当て嵌めれば良いのか、解らない。
 ぐるぐると無限に回ってしまいそうな思考を振り払うように、ヨナは空を見上げた。
 夕焼けに染まる空。茜色を含んだ雲がぷかぷかと浮かぶ様は、物語に描かれた絵のようで。

「風が気持ちいい……」

 少し伸びた暁色の髪が、風にさらわれていく。導かれるように、後ろに僅かに体を反らしたら、ぐらり、体が傾いだ。

「え、きゃ……」

 上半身のみを反らせたせいだろう、体の重心が崩れて、地面に向かって仰向けに倒れ込む。背中や肺に届くであろう痛みを覚悟しながら、少しでも怪我が少なくて済むようにと体を反転させた瞬間――――。

「……っと、危ね」

 どさ、と重い音が聞こえたのに、ヨナの体のどこにも、痛い場所はない。それはハクが、ヨナの体を抱え込むように背後から腕を回し、彼自身が尻餅をつくような恰好になったからだろう。

「なーにやってんですか、オヒメサマ」

 座り込んだまま、耳元で笑われて、ヨナは思わず首を竦める。

「ちょ、ちょっとよろけただけよっ」
「ヨタヨタヒヨコ踊りの練習でも?」
「違うわよっ」

 ヨナの鳩尾あたりで緩く組まれている、ハクの両腕を思わず叩けば、また耳に届く笑い声。

(く、くすぐったい……っ)

 いつもと違う、耳に直接ハクの声を吹き込まれているかのような錯覚。
 低く、時には鋭く響く、ハクの声。

「なら、何を考えてたんですか」
「な、何でもない……わ、よ」

 抱きしめられるのも、助けられるのも、初めてではないのに。妙にくすぐったい思いをしながらも、居心地の良い腕の中から逃れるという選択肢は、ヨナにはなかった。

「……ま、怪我がなくて良かったですけどね」

 ハクがヨナに告げる声はからかいを含んでいたものの、その心中では安堵が広がっていることをヨナは知らない。

「……ありがとう、ハク」
「一瞬、肝が冷えましたよ」

 駆け出すのが遅かったら、間違いなく頭を地面に打ち付けていただろうと、ハクが告げる。例え頭部を庇えても、背中を強く打ち付けたなら、一瞬であろうとも呼吸困難になる可能性がある。

「間に合って、良かった」

 囁きと共に、ヨナの体に回された腕の力が増した。

「本当によろけただけだから、もう平気、……って」

 不意に、少し熱を持ったヨナの耳朶に柔らかく触れた感覚。

「ちょ、ハク何を」

 振り向くことでその行動を止めようとしたのに、伸びてきた右手で顎を固定されてしまい、動けない。

「……何か、熱っぽくないですか」

 首筋に、温かな唇が押し付けられる。確かに唇なら温度を確かめやすいけれど、この状態ではきっと、熱は上がる一方だ。
 背後から抱きしめられている上に、耳に届く『男の人』の声。耳朶や首筋に触れた、自分とは違う唇の温度と、額に触れた大きな手。
 その手が瞼までもを覆うから、目を閉じた時のように、他の感覚が鋭くなる。
 どくん――――、鼓動が跳ねた。

「……熱、が、……あるとしたら」
「はい?」

 ヨナの体を拘束していた腕の力が弱まり、ヨナは俯いたままハクの方へと体を向け。顔を上げずに、彼の胸に額を寄せた。

「ハクのせい、なんだから……」
「? 何です?」

 あまりにも小さな声だったから、ハクには聞こえなかったらしい。思いきって見上げた彼の顔は、どこか無防備な子供のように見えた。

「ハクのせいだもの」
「何を責任転嫁してんですか、っつーか熱っぽいのは疲れが溜まってるせいじゃ」
「違うわよ、ハクが悪いの!」

 だって、跳ねた鼓動はどんどん早く脈を打ち、体中に熱を運ぶ。きっかけは間違いなく、目の前にいる彼なのだから。

「……なら、責任取りますか」
「え……っ?」

 にやり、と不敵な笑みを見せたハクは、あっという間にヨナの体を抱き上げた。

「あ、あのハク……!?」
「暴れると落としますよ、オヒメサマ。首に手ぇ回しててください。……間違っても絞めないでくださいよ」
「しないわよっ」

 軽口を叩くハクの言葉通りに、両手を伸ばしてそっと首元に抱き着く。

(ハクも、鼓動が跳ねれば良いんだわ)

 ヨナの鼓動ばかりが早鐘を打つのは悔しいから、きゅ、とほんの少しだけ力をいれてみれば、微かにハクが息を飲む音が聞こえて、ヨナはそっと笑う。
 きっとこれは、恋じゃない。好きだなんて言葉では括りきれない。
 だから、その答えが見つかるまで……。

(一緒にいてね、ハク――――)


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