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オリジナル・二次創作小説や、好きな本の感想を綴るブログです。

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拍手SS お祝いはチョコケーキ 「読書の秋」

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拍手SSの再掲です。

2013年 11月 携帯用SS
お祝いはチョコケーキ 伊吹×里沙


「伊吹と読書って、すっごい違和感……!」
「里沙お前、開口一番それかよ……」
「だって」

 いくら読書の秋とは言っても、伊吹が読書というその光景自体がものすごい違和感だ。
 今日は雨で校庭が使えないので、必然的に部活は休みだ。委員会があるから先に帰ってていいと、里沙は伊吹に言ったのだけれど、彼は教室で待ってるからと告げた。
 そして委員会が終わって、里沙が伊吹の教室にやって来たら、頬杖をついて単行本を読んでいた彼がいたのだ。

「そんなに変か? 俺が小説読んでるの」
「伊吹が読む本て言ったら、雑誌か漫画だけだと思ってた」
「……まぁ、その通りだけどな」

 確かに普段は、雑誌や漫画しか読まない。小説を読むにしても、せいぜい夏休みの課題図書ぐらいだ。

「じゃ、何で読んでるの? ってゆか、どんな本を読んでるの?」
「ん」

 表紙にかけられたカバーを外し、伊吹が表題を見せてくれる。そしてその表題に、里沙は見覚えがあった。

「これ……」
「お前がニコニコしながら読んでたからさ。そんなに面白いのかと思って」

 図書館で借りてきた、と伊吹は笑った。
 その本は、里沙が一番最初に読んだ単行本だった。里沙が持っている本は既にぼろぼろになるほど読み込んでいる。そろそろ買い替えなくちゃと思いながらも、捨ててしまうのももったいなくて、ずるずるそのままだけれど。

「で、どう?」
「まだ読み始めだから何とも言えないかな。でも俺が眠くならないんだから面白いんだと思うよ」
「基準がそれなんだ」

 伊吹の言い様に、里沙はくすくすと笑った。

「もーちょっとでキリいいとこまで行くから、それまでいいか?」
「うん」

 ぱらり、とまた本を開く伊吹と、その向かいで里沙も、別の本を読み始めた。
 静寂に満ちる教室。聞こえるのは外の雨の音と、互いの呼吸と、ページをめくる微かな音だけ。
 その空間が、心地いい。そう、感じていたのだけれど。

「伊吹見っけ……って、伊吹が小説読んでる!?」
「は!? 嘘だろ、天変地異の前触れか!?」
「だから今日雨なのか、納得」

 騒がしくやって来たサッカー部の面々が、口々に告げるのは、やはり伊吹の滅多にない行動についてだった。

「お前らな~……!」

 ぴきぴきと青筋を立てた伊吹が、ガタンと椅子を立ち。

「いー加減、その口閉じろっ」

 とりあえず近くにいた瀬能にヘッドロックを仕掛け始めた。

お祝いはチョコケーキ 目次

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