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オリジナル・二次創作小説や、好きな本の感想を綴るブログです。

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LOVE SO LIFE うたう、はる 【後日談】

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翌日の、梨生と詩春の会話。 ※蛇足+短いです。



「詩う春、かぁ。すごいね、松永さんて」

 朝、登校してきた詩春の顔が何だかとても嬉しそうで。どうしたのかと訊ねてみたら、嬉しい事があったのだと話してくれた。
 それが詩春の名前の意味。普段何気なく呼んでいる彼女の名前に、そんな意味があるかも知れないと思うと、そんな気がしてくるから不思議だ。
 名は体を表すとは言うけれど、ここまで的確に意味を繋げる政二もすごいと思う。

「うん……。すごく、嬉しかったの、私」
「大人だよねぇ。アナウンサーだからかな? 選ぶ言葉とか、やっぱりちょっと違うよね」

 同年代の少年少女では、きっと出て来ないであろう言葉を、さらりと言ってしまう。経験の差、と言ってしまえばそれまでだけれど。
 梨生はまだ、詩春を通してしか彼の事を知らない。だけど、詩春にとって、政二の存在は少なからず大切らしい。それに、詩春から聞く政二の言動や行動から推測すると、彼の方も詩春をどう見ているかは何となく解る。

「っていうかさ?」
「何? 梨生」
「そこまで良い雰囲気作っといて、何で付き合ってないの?」

 何気なく投げた問いに、詩春の頬が瞬間的に赤くなった。

「つ、付き合って……って、わ、私と松永さんはそんなっ……!」

 詩春のその慌てぶりに、梨生は彼女に気付かれぬよう、心の中で笑った。滅多にない詩春の反応が楽しい。

「だってさ? 詩春の話聞いてると、お互いにすっごく大切な存在だって言ってるように聞こえるよ?」
「……だいじ、だよ……? 松永さんは、私を、……家族みたいだって、言ってくれるから」

 家族。詩春にとっては、とうに喪われてしまったかけがえのないもの。だけど、「家族」という言葉に誤魔化されるような梨生ではない。

「じゃあ、詩春にとって松永さんは、お兄さん?」

 そう訊ねると、詩春は少し考えてから小さく首を横に振った。

「わかんない……。でも、今は……あの人達から離れるなんて、多分出来ない……」

『離れる事が出来ない』のか、『離れたくない』のか。詩春の気持ちがまだ確固たるものではないから、彼女の言葉はすごく曖昧だった。

「そだね。話聞いてると、詩春の事すっごい大切にしてくれてるよね。詩春の名前だってさ、そんな事言ってくれる人、なかなかいないよ」

 名前なんて、その人を表す単なる固有名詞。呼ばれれば返事をする、ただそれだけの認識。けれど少なくとも、それだけ詩春の事を解っているからこそ出てきた解釈でもあるだろう。

「ね、詩春?」
「ん?」
「いつか松永さんと詩春が付き合う事になったら、一番に教えてね!」
「だっ、だからっ、松永さんとはそんな関係じゃ……っ!」
「あー聞こえない聞こえなーいっ」
「もー、梨生~っ!」

 いつか詩春にも、隣にいる事が自然に思える相手が出来るだろう。それが政二であればいいとも思う。けれど。

(それまでは、絶対詩春の傍から離れないからね?)

 親友という立場は絶対誰にも渡さない。後ろでまだ梨生を呼んでいる詩春を振り返って、梨生はにっこりと笑った。


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