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1/26 オキザリス 「輝く心」

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拍手SSの再掲です。

1/26 オキザリス 「輝く心」
桜涙 竜城×朱里


「朱里……?」

 目の前で、淋しげな表情をする朱里に、竜城はそっと手を伸ばす。けれど、伸ばした分だけ、朱里は後ずさる。

「駄目……」

 触っちゃ駄目、と朱里が呟く。それでも尚手を伸ばす竜城から、彼女は逃げる。

「俺が、怖いのか?」
「違う……」

 ふるふる、首を横に振った朱里は、くるりと踵を返して走り出す。

「朱里っ!」

 追い掛けなくちゃいけないのに、何故か足が動かない。

「待てよ、朱里!」

 走り去る朱里の姿は、どんどん小さくなって行く。
 嫌だ、やっと手が届くようになったはずなのに。傍にいると、決めたのに……!
 どこかで、緩やかに数を数える声がする。

*****

「朱里っ」
「きゃっ!?」

 突然名前を強く呼ばれて、勉強していた朱里はびくりと肩を震わせた。

「た、竜城……?」

 今このリビングには、竜城と朱里しかいない。となれば、名前を呼ぶのは竜城だけ、なのだが。

「……ね、寝言……?」

 ソファに横になって、どこか苦しそうに顔を歪めている竜城は、瞳を閉じて眠っている。十数分前までは一緒に課題をやっていたのだが、「疲れた……少し寝る……」と、ソファに転がり、そのまま寝入ってしまっているのだ。

「どこだよ……」

 眉をひそめ、朱里がかけた毛布から、何かを探すように竜城の手が彷徨い出る。

(え、と……)

 どうすればいいのだろう? というか、彼が何を求めているか解らない。

「……あかり」
(私? 私を、探してるの? ……夢の中、で……)

 そう思ったら、心の中がふわり、と温かくなった。こんな風に自分の存在が竜城や藍里の中にあるのだと思うと、小さな光がきらきらと輝きながら、仄かな熱を持って朱里の心に宿っていく。

「……私は、ここよ?」

 自分から触れることは出来ないから、少しだけ近づいて、囁くように言葉を紡げば。
 のろのろと竜城の瞼が開いて、瞳が朱里を捉えて。

「みつけた……」

 そう告げて、穏やかに笑った。いつも、藍里にしか向けられなかった笑顔。

「竜城?」
「つぎ、あかりがおになー……」
「え?」

 おに? もしかして、鬼の事だろうか。探しものをする鬼、と言えば……。

「……かくれんぼ?」

 子供の頃の遊びを思い出して、朱里は一体どんな夢を見ているのやら、とくすくすと笑いながら告げた。

「早く隠れないと、見つけちゃうわよ?」

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