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1/23 アッツ桜 「無意識」

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拍手SSの再掲です。

1/23 アッツ桜 「無意識」
雨の弓 レイン(雫)×ユミ(ひかり)


「ユミ? ……寝てるのか?」

 用事があってユミの部屋にやって来たレインは、重ねた腕を枕にして、テーブルに突っ伏して眠るユミに気付いた。

「……疲れたのか」

 サラサラの髪をそっと指先に絡めて苦笑する。午前中は確か訓練だったはずだ。能力を使うには、体力よりも精神力が必要とされるため、使い始めの頃は疲労も半端ないのだ。

(昔もこんな光景、あったっけ……)

 夕暮れに包まれて、眠る少女────。レインはそっと、生きていた頃に想いを馳せた。


 まだ、レイン────雫が、想いを自覚していなかった頃。
 忘れ物を取りに戻ってきた雫は、茜色に染まる教室の中、窓際の机で、穏やかな顔で眠るひかりを見つけた。

「砂原? ……寝てんの?」

 いくら陽が当たって暖かいとは言っても、季節はもう秋だ。このまま眠り続けていれば暗くなるし、寒くもなる。
 起こそうと、手を伸ばしかけて……その寝顔に、視線を奪われた。
 ひかりはクラスでも人気の女子だ。容姿もさることながら、性格もいい。彼女に密かに恋い焦がれている男も多いと聞く。

(確かに……可愛いよな)

 だんだんと、彼女の顔が近くなる。ひかりの吐息が、自らの頬に触れるまで近づいて……。

(って、何やってんだ俺っ!)

 彼女に触れる前に我に返った雫は、慌ててひかりから距離を取った。

(……完璧に無意識だったぞ、今……)

 見つめて、惹かれて。そのまま我に返らなければ、その唇に────。

(え、ちょ、待て……? 俺、砂原に何を……?)

 何故か悪いことをしているような気分になって、心臓が早鐘を打ち。これ以上何かしでかさない内にと、やや乱暴にひかりを揺り起こし、それから彼女を意識するようになったのだった。


 あの頃は、触れられなかった。だけど今は。
 柔らかな唇を、そっと親指でなぞり。規則的な呼吸を閉じ込めるかのように、優しく唇を塞いだ。
 瞬間、ほんの僅かにユミの体がぴくりと動いて、唇を離したレインは、「こーら」と人差し指でユミ頬をくすぐった。くすくすと笑うユミが体を起こす。

「狸寝入りしてんじゃねーよ」
「ふふ、バレちゃった」

 でも起きようとしたら、レインがキスして来たんだよ? と、にこにこ笑うユミ。
 それでも、騙されたような気分は消えなくて。
 レインは彼女の後頭部を引き寄せて、仕返しとばかりに口づけた。

雨の弓 目次

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