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1/18 パンジー 「心の平和」

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拍手SSの再掲です。

1/18 パンジー 「心の平和」
明るき陽の光を 幼なじみ三人組



「あ~……平和だわ」

 テーブルにはコーリがいれてくれた紅茶と手作りのクッキー。優雅にのんびりとカップを口に運ぶショウカに、死神を統べる者マスターであるヨウの呆れ声が飛んだ。

「……泪花、少しぐらい手伝え」
「だって試験官の役目は終わったもの」
「総合点数見て、合否の書類分けるぐらいは出来るだろ」
「……はいはい。仕方ないわねー」

 渋々ながらも席を立つショウカと、呆れるヨウ。その光景は、ずっと昔にもあったような気がして、コーリは記憶を辿り、「あ」と声を漏らした。

「どうした? コーリ」
「あのね、生きてた時もあったなぁって」

 今のやり取り、とコーリが告げると、二人も思い出したらしく「ああ」、「そうかも」と頷いた。
 確か、泪花が高1で、明人が高3だった頃。小4だった透子の目の前で、高校生の二人は期末試験の復習をしていた。というか、明人が泪花の試験の結果を見て呆れ返っていた。

『試験が終わると、心が平和だわ~』
『平和なのはお前の頭の中だけだ! ちょこちょこ計算ミスしやがって、教えてやってた意味ないだろが!』
『赤点取ってないだけマシでしょ~』
『そういう問題じゃないっつーの……。とにかくほら、やり直せ。ミスしてばっかだと大事なとこも見逃すぞ』
『……はいはい、仕方ないなぁ』

 ペンを取り、渋々ながらも復習を始める泪花のそばで、透子も一生懸命宿題を片付けていたのを覚えている。

「あったわねー、そんな事も」
「あの時は解らなかったけど、中学生になってから、泪ちゃんの言葉の意味、解ったんだよね~」

 試験が終われば、心の平和が訪れる。勉強に追われた日々からの解放感は何とも言えず気持ち良かった。

「でしょ?」
「まぁなぁ。俺も試験は嫌いだったし」

 何気なく呟いたヨウの言葉に、コーリとショウカは一瞬の間を置いて同時に叫んだ。

「「うそ!?」」
「何だ、その反応は」
「だって明人くん、勉強には厳しかったじゃない!」
「そうだよ!」

 家庭教師をしてもらった時だって、相当厳しかったのを覚えている。

「……あの頃は、年下のお前らに弱音なんて吐けなかったからな。試験終わった後、友達と羽目外したりはしてたぞ、俺だって」
「そうなんだ……」

 透子と泪花にとっては、いつまでも年上のお兄さんであろうとしたのかもしれない。
 知らなかった明人の一部が垣間見えて、コーリはそっと微笑んだ。


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