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1/16 マンサク 「直感」

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拍手SSの再掲です。

1/16 マンサク 「直感」
図書館戦争 堂上×郁


「お前は一体何度怪我すれば……っ」
「し、仕方ないじゃないですか! あたしだって好きで怪我したわけじゃありません!」

 事の起こりは十数分前。配架作業をしていた郁が何気なく見た、とある雑誌を片手にした男から、微かにカチカチという音がしたのだ。その音と、男の不審な動きから、郁は直感で男が何かするつもりだと思った。
 だから努めて冷静に、声をかけてみたのだが……。男は激昂し、カッターで切り掛かってきた。
 油断はしていなかった。けれど、男の繰り出すカッターは郁の頬を僅かとはいえ切り裂き、だが郁はその腕を取り捻ることで、あっという間に男を取り押さえた。
 騒ぎに気付いた小牧と手塚が男を連行し、郁は堂上に連れられて医務室に行き、自分では傷が見えない為に、彼に手当されているのだ。
 間近で見る心配げな顔は、完全にプライベートの表情で、未だ慣れない郁が赤面するには充分だった。

「きょ、教官、自分で出来ます……っ」
「いいから黙ってろ」

 直視出来なくて、ぎゅっ、と瞼を閉じる。綿に含ませた消毒液が染みたせいも、ちょっとだけあるけれど、何よりも。

(か、顔が近すぎ……!)

 ついでに言えば、郁が堂上を見上げることなどは滅多にない。いつもと違う視線の位置にどぎまぎして、郁は逸る心臓を必死に宥めた。

「……笠原」
「は、はいっ」

 呼ばれて、反射的に瞳を開けて……開けたのに、視界はぼやけた。それは彼が間近にいたからで────。

(え!?)

 一瞬後には唇が触れて、すぐに離れた。

「教官!?」

 思わず唇を手の甲で覆い隠す郁の頭は、混乱状態に陥った。

(な、何でキス……!? ってゆか、まだ仕事中……だよね?)

 堂上らしからぬ行動に気付いたのか、柔らかだった堂上の顔が、ぶっきらぼうなものに変わる。

「……お前がそんな顔するから、我慢出来なくなった」
「なっ……あたしのせいですか!?」
「キスねだるような顔をするお前が悪い」

 しれっ、と答える堂上の手が、ぺりぺりと大判の絆創膏のフィルムを剥がしていく。

「それ言い掛かりって言いません!?」
「……ったく、こんな傷付けられて……」

 もしかしたら顔に傷が残るかを心配しているのだろうか。そんな声音だった。

「……こんな傷、すぐ治りますよ?」

 そう告げれば、「だとしても、怪我はするもんじゃないだろう」と言い返されてしまった。


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