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1/15 胡蝶蘭 「純愛」

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1/15 胡蝶蘭 「純愛」
雨の弓 レイン×ユミ



「ねーねー、ユミちゃん! レイン先輩との純愛話、聞かせて♪」
「カ、カナミちゃん? 純愛って……」
「え、だってコーリ先輩が良く言ってるよ? 70年の時を越えて結ばれた二人は純愛だって!」

(コーリさん、一体何を後輩に話してるんですか……っ!)

 別にレインとの話をする事は構わない。のだが、純愛といわれるとどうにも気恥ずかしさが先に立ち、ユミは「今度ね!」と、とりあえずその場から逃げ出すことに成功した。
 逃げ込んだ先は当然レインの部屋だ。そして彼に先程の話を聞かせると……。

「コーリのヤツ……絶対俺で遊んでるよな」
「それは別にいいんだけど、恥ずかしかった~……」

 待て、良くないから! というレインの意見は呆気なく耳を通り過ぎ、ユミはぺたん、とテーブルに顔を伏せる。

「……まぁ、純愛かどうかは別にしても、……ひかりの事だけは、ずっと気になってたよ」
「え……」
「まだ生きてるのかな、それとも転生して幸せかな、ってさ」

 基本的に、知り合いの魂を刈りに行くのは別の死神だ。すべての関係を知っているのは死神を統べる者(マスター)だけだから、例えばかつての友人が命を終えても、知るのは既に魂が裁きの門をくぐった後だ。

「……俺が死神になったのは、ひかりが転生して、次は幸せになって欲しくて……その幸せを、見ていたかったからだよ」

 穏やかに告げるレインとは裏腹に、ユミは段々悲しくなってきた。

「……それって、レインは私が、雫じゃない誰かと幸せになっても良かったって事?」
「は? いや、そういう意味で言ったんじゃなくて」
「雫じゃない人の傍で、私が幸せになれるって、本気で思ってる……?」

 何だか泣きたくなって、そう思った時にはもう、頬を涙が伝っていた。

「ユミ……ありがとな」

 いつの間にか傍に来ていたレインに、そっと抱きしめられる。

「俺は、先に死んだ人間だから……願うしか、出来なかったんだよ」
「でも、レイン」
「聞いて。……だから、お前が死神になるって言い出した時、ホントに嬉しかった」

 いつか、コーリが言っていた。レインの表情が、離したくないと告げていたのだと。

「……その時、決めたんだ」
「何を?」
「絶対一緒に転生するって、さ」

 そしてまた、あの世界で共に生きて。今度こそ二人の命が尽きるまで傍に。

 レインの言葉が嬉しくて、ユミは力いっぱい抱きついた。


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