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1/14 スプレー菊 「清らかな愛」

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1/14 スプレー菊 「清らかな愛」
夜明けの光 フレイル×レサリーア(アーシャ視点)



「……なかなか戻ってらっしゃらないから、何かあったかと思えば……」

 休憩がてら、花を切りに行くレサリーアに付き合ってくる、とフレイルが出て行ってから、既に2時間以上。心配になってアーシャが探しに来てみれば、庭園の中にある東屋で、肩を寄せ合い眠る恋人同士の姿を見つけ、アーシャは苦笑を隠せなかった。
 起こさぬように、アーシャは空いている席にそっと座り、穏やかに眠る二人を眺めていた。

(……兄様、幸せそう……)

 兄が一人で父を弑した時、アーシャはもう二度とフレイルと会えない事を覚悟していた。例え長兄が王座についたとしても、それまでに一人で王宮の兵から逃れられる可能性は極めて低かったから。
 だから、ティルが飛ばした鳩により、セパが、レサリーアがフレイルと共にいてくれると知った時は心底安心したのだ。

(まさか恋仲になるとは思いませんでしたけど、ね)

 レサリーアは、元とは言えかつての貴族の娘としてフレイルを全力で守ろうとしてくれた。王家に対する親愛の情だとしても、アーシャにはそれが、とても清らかなものに思えた。
 清らかな愛。レサリーアの傍らにある花籠の中には、その花言葉を持つ花もあった。

(フレイル兄様は、もう大丈夫……だけど、問題はティル兄様だわ)

 フレイルの傍には、きっと何があってもレサリーアがいてくれる。しかしこの国の王となったティルには、婚約者どころか恋人さえもいないのだ。

「どうしたものかしら」
「何がだ?」

 思わぬ答えが返ってきて、アーシャはびくりと体を震わせた。

「兄様、いつから起きてらしたんですか?」
「お前が何か真剣に考え込んでいるようだったから。で、どうしたんだ?」

 今だ眠るレサリーアを気遣って、兄妹は声を落として会話を続ける。

「ティル兄様の事です。せめて恋人くらいいて下さらないかと……」
「兄上はお忙しい身だからな。貴族の姫君からひっきりなしに縁談は舞い込んでるが」
「けれど、お会いもせずにお断りしてるんですよ? 相手の姫にも失礼だわ」

 しかも、その断りの手紙を書くのはティルではなく、アーシャだったりする。おかげでアーシャは、貴族の姫達からは小姑扱いだ。

「……その内、出逢う時が来るさ」

 傍らで眠るレサリーアを見る兄の視線が、彼女を愛しいと告げている。
 傍にいるだけで安らげる誰かが、ティルにも見つかればいいのに、とアーシャは願った。

夜明けの光 目次

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