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1/12 春さざんか 「ひたむきさ」

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拍手SSの再掲です。

1/12 春さざんか 「ひたむきさ」
暁のヨナ ハク×ヨナ


「スウォン!」
「こんにちは、ヨナ」

 優しい笑顔が好きだった。子供扱いをされても、会えるだけで嬉しかったあの頃。ひたむきに……ただひたむきに彼を想っていたけれど、今は────。

「……嫌な予感が、消えない……」

 千州に火の部族の兵がいた事実を受け、高華国へ戻ろうと、皆が準備をしている間、ヨナは一人、火の部族を目撃した場所で佇んでいた。

「姫さん」
「ハク。準備は終わった?」
「あいつらは天幕外してます」
「そう」

 力のないヨナでは、手伝おうにも逆に足手まといになりかねない。ここで待っていようと、地面に座り込んだ。

「ハク……」
「何ですか?」
「私はもしかしたら、とても愚かなのかもしれないわ」

 自分が何をしようとしているのか。身を隠す身としては、危ない橋を渡ることになるだろう。
 まずは彩火へ行き、情報収集が先だけれど……その後どう転んだとしても、ヨナが下す決断はたった一つだ。
 高華国の為に────ただ、それだけ。

「……何を以って愚かと言うかは、人それぞれですよ」

 ハクの言葉に、ヨナは自然と伏せていた顔を上げた。

「俺達は、……俺は、嬉しいです」
「どうして?」
「姫さんが紛れも無く、イル王の御子だということが、ですよ」

 むき身の剣を止めるために、素手で刃を握った王。どんなに国力が落ちたとしても、決して武器を取らなかった王。
 どこまでもまっすぐなその姿は、確かにヨナに受け継がれていることが解るから。

「……ひたむきに何かを成すことが、必ずしも愚かだとは限らない。……ましてあんたがやろうとしている事なら、尚更だ」
「……ありがと、ハク」
「ま、あんまり考え込まない事ですね。そののーみそで考えすぎると知恵熱になりますよ」
「そうね、考えすぎると……って、ちょっと待ちなさいハク!」

 今何を言った!? と、ヨナが鋭い瞳を向けた時にはもう、ハクは飄々と仲間達の元へと歩いていた。

「もうっ!」

 形だけは憤慨して見せたけれど、心の中は何故か落ち着いていた。
 迷っていても何も変わらない。立ち止まるくらいなら進んでいく。その心が感じるままに、もちろん皆の意見もちゃんと聞いて。ヨナは一人ではないから────仲間がいるから。
 かつては想いを寄せる彼のためだけにひたむきだった。だが今は、そのひたむきさはこの国を救う為にある。

暁のヨナ 目次

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