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1/11 フリージア 「清香」

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拍手SSの再掲です。

1/11 フリージア 「清香」
LOVE SO LIFE 政二×詩春



「しはるたん、いいにおいする~」

 茜を抱き上げた途端、幼子は詩春の髪に小さな鼻を近づけた。

「おはなのにおい?」
「かな? 私も良く解らないんだ」

 ふわり、と柔らかく香るのは香水だ。昼休みに、「これは詩春に合いそうな香りかも」と雪奈が手にしていた香水を自分の手に吹き付け、その手で詩春の髪に馴染ませていた。
 滅多に香水などつけない詩春は、自分から漂う淡い香りに、少しだけドキドキした。

「ただいま」
「あっ、せーたんおかえりー」
「おかえりー」
「お帰りなさい、すみませんお出迎えしなくて……」
「ははっ、その状態じゃきっと無理だったと思うよ?」

 腕に茜を、膝には葵が横になっていて、動こうにも動けない。その状況を見て、政二は苦笑しながら近づいて来る。

「いつにも増してべったりだなー?」

 つん、と柔らかな頬を順番につつく彼に、茜と葵はとろんとした瞳でますます詩春に擦り寄って来る。

「しはるたん、いいにおいするのー」
「するの」
「え? あ……ホントだ」

 近くに来たから香りに気付いたのだろう、政二が淡く笑う。

「珍しいね、香水?」
「あ、はい。友達が髪につけてくれたんです」
「そうなんだ。……けど何の香りかな、これ」

 俺も香水には疎いから、と言いながら、政二の指先が詩春の髪の一房を絡め取る。

「え……」
「フローラル系なのは解るんだけど」

 絡め取られた髪に、まるで口づけられるかのような仕草に、詩春は思い切り固まってしまった。
 だって、距離が近すぎる。唯一の救いは、茜も葵も匂いに酔って目を閉じていることだけだ。

「あ、の……」
「ん?」

 出来れば顔は合わせたくなかった。今の詩春は、絶対顔が赤い。頬が、熱い。
 政二は、今自分が何をしているのか、少しの間を空けて把握すると、途端に慌てだした。

「っご、ごめん!」

 言葉と同時に、指先から解放された詩春の髪が、さらさらと背中に戻って来る。

「……うん、中村さんに合ってるよ。その香水」

 動く度に香る匂いを捉えた政二が告げる。

「え」
「甘いんだけど、どこか澄んでる。あんまりきつくなくて、俺は好きかな」

 好き。その一言で、詩春はますます頬に熱が集まるのを自覚した。

(か、香りが、だってば……!)

 詩春自身を好きだといわれたわけではない。解っているのに、頬の熱はしばらく引かないこと請け合いだった。

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