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1/05 ロウバイ 「悲しみ」

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拍手SSの再掲です。

1/05 ロウバイ 「悲しみ」 ※11/15 ラケナリア 「持続する愛」 その後
雨の弓 レイン(雫)×ユミ(ひかり)



 腕の中、安らかに眠るユミの髪を、レインはゆっくりと梳いていた。

(……また、こいつを抱きしめられるなんてな……)

 死神になると決めたユミ。部屋が決まるまでとレインと同じ部屋で過ごすことになって、今でも好きだと告げられて。
 その温もりを抱きしめたまま眠っていたはずだが、不意に呼ばれた気がして目が覚めた。

「し、ずくっ……! やだ、いかないで……!」
「ひかり?」

 カーテンを閉めた部屋は真っ暗で、髪を梳いていた手を慎重に背中に移動させてゆっくりとあやすように叩く。

「……ひかり」
「や……おいてかないで……っ、ひとりに、しないで……」

 一体何の夢を見ているのか。わずかにしゃくりあげた声は泣いているせいなのか。起こすか起こすまいかと悩んで、結局細い体を揺らした。

「ひかり。ひかり、起きろ」
「……しずく……?」

 肩を揺すっていた手に、小さな手のひらがゆっくりと重なる。

「いた……雫……」

 ほ、と小さな丸い吐息。レインは華奢な体を強く抱き寄せる。

「……怖い夢でも見てたのか?」
「うん……。ずっと、見てなかったんだけど……雫が、命を終えた時の、記憶」

 雫が命を終えたのは、偶然にもひかりが入院していた病院だった。母が病室に駆け込んできて、雫が事故に遭ったことを知り、見えないと解っていても、雫のそばに行きたくて。
 関係者以外入れなかった部屋は、雫の姉のおかげで許しを得、ひかりはずっと雫の手を握っていたのだ。
 何も見えないから、どんな状態なのか解らぬまま、ただそばに居続けた。

 ユミが話すと同時に、レインも当時の記憶が蘇る。魂を切り離されて、泣くひかりを上から見ていた。あのあと……どれだけ泣かせてしまったのだろう。悲しませてしまったのだろう。

「今日、会えたことが夢みたいだから……また失うこと怖がって、夢に見たのかも」
「夢じゃないし、今度は……転生するまでそばにいるよ」
「ん……」

 安心させるように背を撫でて、大丈夫だからと耳元で囁く。
 やがて聞こえて来た穏やかな寝息に誘われるように、レインもまた眠った。

 早朝から仕事だということをすっかり忘れていたレインが、コーリと何故かついて来たアクアに叩き起こされるまで、あと数時間。

雨の弓 目次

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