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1/02 日本水仙 「うぬぼれ」

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拍手SSの再掲です。

1/02 日本水仙 「うぬぼれ」
執事様のお気に入り 伯王×良



「今日は水饅頭にしてみたぞ」
「わっ、ありがとー伯王! じゃあ私がお茶いれる~!」
「こらっ、それは俺の仕事だろ」
「お茶なら私にもいれられるもん。たまにはいいでしょー?」

 日本茶は昔から飲んで来たし、元執事だった父からいれ方は教わっていた。
 だから座ってて、と告げる良の後ろ姿を見送り、伯王は一人笑顔になった。

(こんな専属は俺だけだろうな……)

 執事は仕えさせるもの、と思っているLクラス生が多い中、主(あるじ)に何かをしてもらう専属執事はいないだろう。
 恋人という新たな関係が増えても、お互いがお互いを大切にしている事には変わりがなくて、……くすぐったくなる。

「はい、お待たせ~。……伯王、何か嬉しいことでもあったの? 顔が笑ってるよ」
「いや……後にも先にも、主にお茶をいれてもらえる専属なんて俺だけじゃないかと思ったんだよ」
「あははっ、そうかも。でも!」

 ずいっ、と伯王の間近に迫る良の顔。一瞬慄いたものの、伯王は真顔を保つ。

「主と執事は確かに主従だけど、私と伯王はあくまでも対等。だよ?」
「氷村」
「だから、『お茶をいれてもらえる』なんて言わないで?」

 私は、好きでやってるんだから。と、にっこりと微笑まれて、伯王の指先が無意識に良の頬に触れる。

「……そうだな」

 本当なら、主従関係を優先するべきだけれど、対等だといってくれる彼女をパートナーに持てたことだけは、自惚れてもいいかもしれない。

「そうだよっ」

 良の手が、頬に触れていた伯王の手に重なる。

「……氷村」
「ん?」

 互いの瞳に、己が写る。引き寄せられるように顔が近付いて……。
 瞬間、パシャッとカメラのシャッター音がして、我に返った二人は慌てて離れた。

「あらあら、そのまま行けばいい写真が撮れたのに」
「か、薫子さん~っ」
「ふふっ、大丈夫よ良ちゃん。黒燕画報には載せないから」
「よ、良かった……」
「あまりにいい雰囲気だったから、思わずカメラを構えちゃったわ~」

 とても楽しげに話す薫子を、何故か良が引っ張っていく。

(ちょっと……危なかったな)

 学園内ではどんな人の目があるか解らない。それを一瞬でも忘れた自分を恥じると同時に、それだけ良に惹かれているのだと自覚してしまった伯王だった。


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