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オリジナル・二次創作小説や、好きな本の感想を綴るブログです。

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1/01 福寿草 「回想」

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1/01 福寿草 「回想」
MIRAGE パミラ+ディック(エイド視点)



「あっ、それ私の腕輪!」
「げ、バレた。頼むっ、ちょい貸して!」
「嫌よお気に入りなんだから!」

 がたんっ、と椅子を立ち上がり、途端に追いかけっこに発展する妹と親友を見て、エイドは苦笑混じりのため息をついた。隣でスープを飲んでいるランディルも同様だ。

「……成長してなくね?」
「だな」

 パミラとランディルが初めてディックに会った時を思い出し、二人で笑う。
 それは、まだまだ初歩の魔法しか使えない少年だった頃の話。バークレイ家に、新しい家族を迎えた翌日の事だった。

「お、そいつらが新しい兄妹?」

 いつものようにエイドと遊ぼうとやってきたディックに二人を紹介し、ランディルは同性の気安さからかすぐに打ち解けたのだが、パミラは何故かエイドの背中に隠れたままだった。

「パミラ? どした? 怖い奴じゃないぞ?」

 エイドがそう声をかけても、パミラは首を横に振る。これから同じ村の仲間になるのだからと、少し強引にパミラを引き離そうとしたその時、そばで小さく呪文を唱える声が聞こえた。

「ディック?」

 彼が手のひらに喚びだしたのは……。

「はい」
「わぁ……っ」

 太陽の光を浴びて、キラキラと仄かに紅く輝く小さな球体。その中でくるくると舞い踊るのは、女性形を取った炎の精霊。
 精霊がにこりと笑いかけると、パミラまでもが笑顔になる。

「あげる。あんまり保たないけど」
「……いいの?」
「うん」

 そうして、パミラはその球体に手を伸ばし、指が触れかけた途端。

「やっぱやーめた」

 ひょいっ、とディックの腕が下げられた。

「え、ひどい!」
「欲しかったら取ってみろ!」
「う~っ、待って!」

 走り出したディックと、それを追い掛けるパミラ。見事にエイドの背後からパミラを引きずり出したディックの手腕に、兄二人は大笑いしたのだった。
 ちなみにもちろん手加減をしたディックはパミラに追いつかれ、球体を差し出した。

(……変わってねーな、ホント)

「解った、返すから!」
「当然でしょっ! もう!」

 ぶつぶつ言いながら返された腕輪をつけるパミラに、エイドとランディルは苦笑する。

「あの様子じゃ、気づいてないな」
「他の精霊の力には鈍感だからな、パミラは」

 ディックがそっと、炎の加護を腕輪に宿したことにパミラが気付くのは、ずっと先になる。

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