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拍手SS 明るき陽の光を 「端午の節句」

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拍手SSの再掲です。

2013年 5月 携帯用SS
明るき陽の光を 幼なじみ三人組



「ふぇ……っ、こわいぃ~」
「な、透子どうした?」
「お人形、にらんでる……」
「あ~……」

 明人の家に飾られた五月人形を初めて見た透子が顔をくしゃくしゃにして泣き出しかけたのに気付き、泪花が透子の小さな頭を撫でた。

「そういえば私も泣いたわね~。鍾馗様が怖くって」

 鍾馗とは、主に中国に伝わる道教系の神様の事だ。長い髭にぎょろりとした目で何かを睨みつけているような姿勢のため、幼い頃は明人も泪花も怖かった。

「大将飾りの方が愛らしいから余計にな」

 兜を被ったもう一体の人形の顔立ちは、優しいながらに凛々しい。そのギャップも、幼い頃には怖かったのだろうと今さらながらに思う。

「しっかし、俺もう17なんだけど……」
「子供の健康を願うものだからいいんじゃない? 透子、ほら、怖くないよ?」
「こわくない?」
「うん。あれは五月人形って言って、男の子の為のお人形なの。透子も、3月にお雛様飾ったでしょ?」
「うん! お内裏さまとお雛さま!」
「そうだね。それと同じように、これは明人くんを守ってくれるお人形なんだよ」
「いや、守るとはまた違うだろ」

 と突っ込むも、泪花の言葉はまだ続く。

「お人形さんが怖い顔してるのは、明人くんに悪いものを寄せつけないためなの。だから、怖くないんだよ」
「……明人くんを、守ってくれるお人形、なの?」
「そう。鍾馗様って言うんだよ」
「しょうき様……」

 きっと、あまり意味は解っていないだろうけれど、それでも透子は、この人形達が明人のためのものだと解ったらしい。
 ちょこんと正座をして、鍾馗の人形に頭を下げる。

「怖がってごめんなさい。明人くんを、守ってください」
「ふふっ、よく出来ました」
「……なーんか間違ってないか……?」

 何が間違っているとはうまく言葉に出来ないけれど、そんな気がする。と明人は呟いた。

「人形も見たし、柏餅食べるか」
「かしわもち?」
「透子はつぶあんとこしあん、どっち好きだ?」
「どっちもすきー!」
「お茶入れるわ。台所借りるね」
「じゃあ俺、庭で透子に鯉のぼり見せてるよ」
「なら、縁側に持ってくね」
「透子、鯉のぼり見るか?」
「みる! まごいと、ひごいとー」

 多分、歌の歌詞でしか覚えていないのだろう。見事なひらがな発音に、明人は喉の奥で笑い、また難しいだろうと解っていても、漢字を書いてどれがどれだか教えてやろうと思った。

明るき陽の光を 目次

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