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拍手SS LOVE SO LIFE 「私の愛は増すばかり2」

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拍手SSの再掲です。

2012年 12月 携帯用SS
LOVE SO LIFE 松永家+詩春





 いつからだろう? 彼女の存在がこんなにも大きくなったのは。
 茜と葵が「しはるたん」と呼ぶ度に、詩う春という名そのままに、優しく笑う彼女を見る度に、詩春の存在は政二の中で確たるものを築いていく。

(もっと、傍にいて欲しい────)

 口には出せないその言葉を、何度飲み込んだだろうか。
 くすくす、と小さく笑う声がすぐ傍で聞こえて、政二はゆっくりと目を開けた。

「あ……起きられましたか?」
「中村さん……? ご、ごめんっ、俺いつの間にか眠って……!」

 こたつで冷えた体を温めていたら、ついウトウトしてしまったらしい。慌てて起き上がろうとするも、両腕の傍にある温かな体温を感じて、ゆっくりと身を起こした。

「あ、葵……茜?」

 政二の右側に茜が、左側に葵が。それぞれ横になっていた。

「私が台所を片付けてる間に、二人とも松永さんの傍で眠っちゃったみたいなんです」

 双子が冷えないように、大きめのタオルがかけられていて、そんな小さな気遣いに、温かな気持ちになる。

「お茶、飲まれますか?」
「あ、うん。ありがとう」

 立ち上がり、台所へと消える詩春の背中を見送って……見送るだけのはずなのに、「行かないで」と言葉にしかける自分に脱力する。

(重症だな……)

 詩春はまだ、高校生。ましてアナウンサーという仕事上、モラルを問われることは身に染みて解っている。
 だけど、確実に惹かれていく想いを制御するのは、とても難しくて────。

「どうぞ、松永さん」

 両手で差し出された湯呑みに手を伸ばす。このままその華奢な手を包み込んでしまえば……そんな誘惑に負けそうになりながら、湯呑みを受け取る。と。

「あ、れ……? 松永さん、手の甲……」
「え?」
「血の跡が……怪我されたんですか?」
「え。あ、ホントだ」

 伸ばした右手の甲に、うっすら走る三本の線。何だっけと頭を巡らせて、とある番組の収録で、猫に引っ掻かれたことを思い出した。

「猫に引っ掻かれたんだった。忘れてたよ」

 じゃあ、ちゃんと消毒しないと、と詩春が救急箱を取りに行く。普段使うことのない救急箱の位置まで覚えている彼女は、本当に家族のように思える。
 そのあと、てきぱきと消毒し、絆創膏を貼り終えた詩春はあまりにも近い政二との距離に、瞬間的に顔を赤くしたのだった。


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