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12/31 ユーリオプスデージー 「円満な関係」

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拍手SSの再掲です。

12/31 ユーリオプスデージー 「円満な関係」
明るき陽の光を 明人+泪花



「……寝ちゃった?」
「泣き疲れたんだろ。……参ったよ」
「ホントね」

 ソファの上で丸くなり、すぅすぅと穏やかな寝息をたてる透子の頬にはまだ、涙の跡が残っていた。
 はい、とコーヒーの入ったマグカップを明人に渡し、その隣に座る。

「透子のココアも入れたんだけど……起こすの可哀相よね」
「だな。お前飲めば?」

 そうする、と透子用のマグカップに口をつけ、一息ついて。それから泪花は、ぽつりと呟いた。

「……私達、何でケンカしたんだっけ?」
「お前が突然、大学行かずに働くなんて言い出したからだろーが」
「……そーでした」

 大学に行ってもやりたい事がない。目標が見つからないからと、泪花は何もかも投げ出そうとした。高校には通うものの、本当に通っているだけの状態で。
 だから何気なく、たまたま帰り道に出会った明人にそんな話をしたら、叱られてしまったのだ。
 泪花は頭ごなしに叱る明人に、明人は話を聞きもしない泪花に苛立ち、そのままケンカ別れをして、しばらく口も聞かずにいたら……透子が泣き出したのだ。明人と泪花が仲が悪いのは淋しいと。

「透子に泣かれると弱いのよねー、私達」
「透子がいなかったら俺ら、絶対離れてたよな」

 会えば挨拶ぐらいはするだろうけれど、こんな風に一緒に寛ぐことはなかっただろう。
 和やかな空気のうちに、と、明人は話を切り出した。

「別に、無理に大学行けとは言わないけど……勉強だけはしとけよ。本当にやりたい事が見つかった時、基礎で躓かないようにな」
「うん……」
「……って、俺も言われたんだよ、昔」
「え、そうなの?」
「そ。だから泪花の迷いも解るつもり。俺もそうだったから」

 年長者の言うことは聞きなさい、と明人が笑いながら泪花の髪を撫でる。泪花はその手の温かさが心地好くて、そっと目を閉じた。

「まだ高3になったばかりだろ。さすがに夏が過ぎたらまずいけど、今はまだ、ゆっくり悩め。な」
「ありがと」

 何だか子供の頃のようだと、泪花は思った。気が強いくせに最後は泣いてしまった泪花の頭を、明人は撫でていてくれた。

「泪ちゃ……明人くん……ケンカ、だめ……」

 むにゃむにゃと寝言を呟く透子の、微笑ましい寝顔に顔を見合わせて笑う。
 本当に、透子がいるから自分達は円満な関係でいられるのだろう。

 二人にとって大切な大切な女の子は、仲直りした事をまだ知らない。

明るき陽の光を 目次

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