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12/25 ヒイラギモチ 「清廉」

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拍手SSの再掲です。

12/25 ヒイラギモチ 「清廉」
LOVE SO LIFE 政二×詩春


「ね、あれ新発売だって!」
「食べてみよっか!」

 テレビ局を出た途端、目の前を制服が横切った。それを見て、政二は詩春を想う。
 彼女はいつも、自分が双子といたいから、と言ってくれるけれど、自分の事は後回しになっていないかと、時々政二は心配になる。
 彼女は、見返りを求めないから。

(って、子供に見返りを求めても仕方ないか)

 茜や葵が、詩春に返せるものはそう多くはない。かと言って、政二が詩春の望みを叶えられるかと問われたら、否としか答えられない。

(甘えてるんだよな……俺も)

 9歳も離れた、まだ女子高生でしかない彼女に、大の男が甘えていて良いものだろうかと考えてしまう。学生の本分は勉強だし、見合った給料を渡してはいるつもりだが、学生時代の時間というものは、代えがたいものだから。

「ただいまー」
「あ。お帰りなさい松永さん!」
「「おかえり~」」

 安らぎを与えてくれる笑顔で出迎えられて、政二の顔も思わず緩む。が、先程まで考えていたことがつい口から零れ出た。

「中村さん、何か欲しいものとかありますか?」
「え」
「いや、いつも双子の面倒見てもらってばかりで、何も返せていないから」

 だから何か……と言葉にした政二に、詩春は緩く首を横に振った。

「私、たくさん色んなものをもらってますよ? 茜ちゃんや葵くんだけじゃなくて、松永さんからも」

 詩春は、双子といる時間が宝物だと言ってくれる。保育士になるために貴重な経験をさせてもらっていると。だが、自らの利益のみをはかろうとしない彼女は、そう。

(清廉……かな)

 そんな言葉がフッと浮かんだ。心が清く、私欲がない事という意味の言葉が。
 大人になって行くにつれて、色んな負の感情を覚えて生きて行く。大人になった政二は、まだ女子高生である彼女が眩しく映る時があるのだ。

「……欲がないね、中村さんは」
「そうですか?」
「今あるものが幸せに感じてるのかな」
「そうかもしれませんね。……不安はありますけど、でも、この子達と一緒にいられて、私、幸せです」

 そう言って、本当に嬉しそうに笑うから。……抱きしめたくなる腕を、必死に制した。

「松永さん?」
「き、着替えて来るよ」

 自分の中の想いをごまかすように、政二は自室へと足を向けた。


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