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12/24 クリスマスベコニア 「片思い」

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12/24 クリスマスベコニア 「片思い」
暁のヨナ ハク→ヨナ→スウォン


 スウォンが城にやって来る事を聞いたヨナは、先ほどからテーブルで頬杖を付きながら考え事をしていた。

「ねぇハク。スウォンの好きなものって何かしら?」

 食べ物の好みも、例えば芸能や音楽の好みも、ヨナはスウォンの事を何も知らない。それはハクも同様で、しゃりしゃりと果物をかじりながら「さあ?」と首を傾げた。

「もうっ、真面目に聞いてるのに!」

 頬を膨らませるヨナを見て、ハクは心中で一人ごちる。

(そんな事、俺に聞くなっつーの)

 スウォンが何を好きかだなんて、ハクにだって解らない。スウォンは何をやっても喜ぶし、楽しむ。そういえば、苦手なものも聞いたことがない。
 だからハクは、無難な答えを返した。

「スウォン様なら何でも喜びそうですけどね」
「何でもっていう方が困るの!」
「いっそ姫さんの琴とか舞とか見せたらいいんじゃないですか」
「……お前、分かってて言ってるわね」

 琴も舞も、とてもスウォンに見せられるものではない。ハクが聞いても不協和音な琴と、ヨタヨタヒヨコ踊りにしか見えない舞と。それでも最初に比べればうまくはなってきているから、スウォンが見ても「頑張りましたね」の言葉ぐらいはもらえるだろうが。

「ハクの意地悪!」
「だったら、聞かないでくださいよ」

 ヨナがスウォンに想いを寄せていることは解っている。そして、ハク自身がそんなヨナに惹かれている事も自覚している。
 伝えるつもりのない想い。このまま、片恋のままでいい。専属護衛としてそばにいられるなら、このままでいいと願う。

「ヨナ姫様、スウォン様がこちらにいらっしゃいます」
「え!? もう来たの!?」
「はい、予定よりお早く着かれたようで」

 パタパタと嬉しそうに扉に向かうヨナ。その姿が無性にいらついて、ハクは姫の腕を掴んで引き止めた。

「ハク?」

 行くな。そう言いたかったけれど、ヨナの顔を見たら、別の言葉が口から出た。

「……その髪のまま、お会いになる気ですか?」
「え。きゃああっ、もうっ、この髪はー!」

 すぐにからまる己の髪を直すために、慌てて鏡台に向かうヨナ。

「ハクっ、スウォンを足止めしてっ」
「……はいはい」

 ヨナの私室から出れば、スウォンの姿はもうすぐそこで。
 さて、守るべき姫が髪型に満足して部屋から出てくるのはいつだろうと考えながら、スウォンに声をかけた。


暁のヨナ 目次

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