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12/19 ストロベリーキャンドル 「善良」

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12/19 ストロベリーキャンドル 「善良」
夜明けの光 フレイル×レサリーア


 たまには息抜きでもして来い、と、兄であるティルに城を追い出され、フレイルとレサリーアは城下街へとやって来ていた。

「おやレサリーア! 久しぶりじゃないか」
「お久しぶりです!」
「隣のお人は?」

 父を殺し、逃亡して教会に身を隠していた時、雨の日にレサリーアに街へと連れ出され。りんごをタダでくれた恰幅のいい女性に声をかけられて、フレイルは被っていたフードを取り去った。

「久しぶりだ、あの時は世話になった」
「あらあら、フレイル様。ふーん?」
「な、なぁに?」

 にやにや、人の悪い笑みを浮かべる小母さんに、レサリーアが怯む。

「その様子だと、うまくいってるみたいだね?」
「教会襲撃の噂は、あの後ひっきりなしに届いていたからねぇ。おまえさんがフレイル様を庇ったとか何とか?」

 薬売りの小父さんまでがにやにやと笑い、レサリーアはそんな事まで噂になっていたのかと顔を赤くした。

「か、からかわないでくださいっ、もう!」
「何を恥ずかしがってるんだ、レサリーア。俺を庇ってくれたのは事実だろう?」

 華奢な体を抱き寄せて、髪に口づけを落とせば、彼女の頬はますます赤くなる。

「フレイル様まで……っ!」
「はははっ」

 その反応が余程楽しかったのか、レサリーアを知る露店の主達も共に笑う。

「今日はお休みですか、フレイル様?」
「たまには息抜きして来いと、王から厳命されたんだよ。ならついでに視察でも、と……」
「ですから、それでは息抜きになりませんと、何度も申し上げてますのに……」
「俺にとっては息抜き同然なんだがな」
「全然違います!」

 フレイルにとっては、街の視察は当たり前に頭に浮かんだ事なのだが、レサリーアにとっては少しも休まぬフレイルが心配になってしまう。

「はいはい、痴話喧嘩はよそでやっとくれ」
「暇なら、孤児院に薬を届けてもらおうかね?」

 こんな風に、行く先々で声をかけられ、フレイル曰く視察ならぬ息抜きを終えた二人は、日暮れ前に城へと戻った。

「……いい奴らだな、城下街の人間は。穏やかに笑って、素直で……俺を王弟だからと差別せずに」
「フレイル様のお人柄が、そうさせるんですよ」
「……だといいが」
「自信を持たれませ。フレイル様はそれだけの事をしてらっしゃいます」

 善良な民が、伸びやかに暮らせる国であれるようにと、フレイルは心に誓った。


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