Mirage

オリジナル・二次創作小説や、好きな本の感想を綴るブログです。

Entries

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

12/17 冬牡丹 「高貴」

拍手SS Index
月別一覧(12月)へ 作品別一覧(12月)

拍手SSの再掲です。

12/17 冬牡丹 「高貴」
暁のヨナ ハク→スウォン・ヨナ


 ムンドクから出された課題をこなし終えた後の休憩中。庭の木の下にへたり込んだスウォンがずっと張り詰めていた気を吐き出すかのように、大きく息をつく。
 それを見たハクは、木刀を肩に乗せ、からかうように笑った。

「どうしたんですスウォン様。きつかったですか?」
「忘れないでください、ハク。私は先日まで寝込んでたんですよ?」
「ああ、姫さんがお見舞いに行くと言って聞かなくて大変でした」

 流行病で寝込んでいたスウォンは、移る病だからと隔離されていたのに、そこに行くとヨナは何度もハクに嘆願した。が、一国の姫に病をもたらすわけには行かず、聞かなかったヨナを押さえるのに、ハクは相当な労力を必要としたのだ。

「ハクはヨナの事、呼び捨てにしないですよね? 昔から知ってるのに……ずっと『姫』って呼んで」
「今更何を言ってんですか。姫さんはこの国の皇女ですよ?」
「そうですけど。私の事も様づけで呼ぶし……淋しいです」

 不意にスウォンの声音が変わる。無邪気に三人で遊んでいたあの頃のように。

「高貴なる王族に仕える人間としては、当たり前です」
「ハク~」

 しゅんとした情けない顔は、幼い頃から良く見ている。ヨナの専属護衛となる少し前から、ハクはスウォンを呼び捨てには出来なくなった。ヨナの事も、絶対に「姫」としか呼ばないと決めて。
 そうでもして、二人から距離を置かなければ……いつか必ず目の当たりにするだろう光景に、心から祝福を述べることが出来なくなると思っていたから。
 ヨナの想いは解りきっている。気付いていないのは当のスウォンだけだ。イル王の許可さえ出れば、スウォンはヨナの生涯の伴侶となり、次期王となるだろう。
 きっと、もう……対等だった『親友』として、スウォンを呼び捨てにする事はない。

「あっ、ハク! ずるいわ、またスウォンと一緒で!」

 スウォンを探していたのか、パタパタとヨナが回廊を駆けてくる。

「姫様」
「ヨナ。そうだハク、稽古はこれで終わりですし、ヨナも一緒に少し遠乗りしませんか?」
「いえ、俺は」

 スウォンがいるならば万一にもヨナに危険はないだろうと判断し、断ろうとしたけれど、「ハクは私の護衛でしょ!」と結局連れ出される羽目になった。
 どれだけ親しくても、高貴な血筋を持つ二人は身分が違う。それをヨナの一言で突き付けられた気がして、ハクは自戒を強めた。


暁のヨナ 目次

拍手SS Index
月別一覧(12月)へ 作品別一覧(12月)
スポンサーサイト

Comment

Comment_form

管理者のみ表示。 | 非公開コメント投稿可能です。

左サイドMenu

プロフィール

琳架

Author:琳架

web拍手 by FC2

 ↑ 9/1変更 (全6種)
 桜涙・雨弓・明陽
 図書戦・LOVE SO LIFE・ヨナ
  ※携帯版が確認出来ないので、こちらに統合しました。

Twitter・SS専用アカウント→ @sakuraironoyoru

FC2カウンター

現在の閲覧者数:

カレンダー

09 | 2017/10 | 11
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31 - - - -

最新記事

検索フォーム

月別アーカイブ

西暦をクリックして下さい。

カウンター

FC2ブログランキング

ランキングに参加しています。

FC2Blog Ranking

右サイドメニュー

QRコード

QR
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。